戦略が必要な時代!なければ土俵から追い出されるかも

「戦術が戦略に勝る事は無い」というのは戦略を語る時によく言われる言葉です。ところが、これまでの日本企業、特に中小企業において、この言葉を受け止めて、戦略を中心に企業運営をしてきた会社はどれくらいあるのでしょうか。

今回は、戦略が重要になる時代、戦略が無いと平凡に終わるどころから会社として致命傷になる時代に私達は突入した事を書きたいと思います。その前に、今の日本の現状を共有していきたいと思います。

日本の経済成長は「いざなぎ景気を超えた」と新聞紙上をにぎわしているようです。現実に株価は上昇していますし、2017年11月の完全失業率は2.7%で、有効求人倍率が1.56倍。これはもうバブル時代を超えた数字!

そんな中、自分自身、自社の状況に目を移したときに、「景気が良くなって、給料が上がり、会社の売上も利益も伸び続けている」と言える人や会社はどのくらい存在するのでしょうか?

少なくとも、私の周りにはあまりそのような人や会社は見受けられません。確かに新卒採用は難しいという中小企業の声は聞きますが、景気が良くなって仕事が増えた為、採用人数を増やしたが、なかかなか集まらないという事ではないようです。

中小企業も含め、多くの日本企業の景気がそのうち良くなるのでしょうか?

そんなことは無いと思っている方が多いと思います。だから、これだけ新聞やテレビで景気が良くなっていると言う割には消費も伸びず、企業の設備投資も伸びていないのではないでしょうか?

実際、日本の経済はそれほど伸びていないようです。内閣府のホームページにGDPの成長率が出ています。それによりますと、2016年度の年間GDP成長率が名目GDPで1%、実質GDPで1.2%です。そして2017年7-9月期の四半期の対前年成長率は名目GDP0.8%、実質GDP0.6%となっています。

はたして、これで景気が良くなっていると言ってよいのでしょうか!確かに連続してのプラス成長は「いざなぎ景気」を超えたかもしれませんが、「いざなぎ景気」の成長率は10%程度あったのでありませんか!

バブル期の有効求人倍率超えたと言いますが、そもそも、日本は少子高齢化が進み、生産年齢人口が減少しているのでありませんか。それに雇用形態もパートや契約社員が増え、その数も入れ込んだ有効求人倍率なのではありませんか!

私は、「新聞やテレビが嘘をついている、それに惑わされるな!」と言いたいのではありません。私達は、目の前の情報に惑わされず、しっかりと現実を捉えて、未来に向かって何を実践していくかを真剣に考え、自らが選択した行動をしなければ簡単に弾き飛ばされる時代にいると言う事を言いたいのです。

「あなたの言いたい事は分かるし、我々も今の現実が厳しいのは分かっている!

でもどうすれば、未来に向かって正しい選択をすることが可能になるのですか?」と言う質問が聞こえてきます。

一言で言えば“戦略”が必要です。

「なんか偉そうに言っているので、何か斬新なアイデアが聴けると思ったけれど。結局“戦略”と言う事になるのか。」と思われる方もいると思います。

しかし、あなたは、自信を持って戦略を語れますか!

語れる!と言う方には失礼かもしれませんが、これまでたくさんの会社を観てきましたが、戦略を持って進んでいる会社に出会った事はありませんでした。

戦略のサポート行っている仕事がら、そのような会社が集まっていると思われるかもしれませんが、多くの会社の社長や幹部の方々が、戦略だと思っていたものが、実は戦略では無く、戦術だったと言う事です。

私は戦略”を「敵がいなくて、顧客の多い土俵で戦う方法」と定義しています。ライバルと真っ向勝負して、スキルで勝つ、寝技で勝つというのは戦略ではけっしてありません。まして、市場が縮小しているような業界では、消耗戦を行っているだけで、いずれは共倒れになるかもしれません。

「敵がいなくて、顧客が多い」たしかにそんな土俵で戦うのが理想だけど、そんな戦略をどのように作るのかが分からないし、うちの業界では無理だと言われる方も多いです。

しかし、しかしですよ!同時に、戦略作りにどれくらいの時間や労力を使っていますか?問う質問をすると、そんなの無理だと言われる方々は戦略作りにほとんど時間や労力を割いていません。皆さんはどうですか?

自社の強みや、弱み。そして顧客がどのように自社の事を思っているかについて検証している会社はどれくらいいるのでしょうか?

中小企業であっても、しっかりした戦略を打ち立て、成功している会社はたくさんあります。神田昌典氏や他のマーケティング関連の著作や記事に多くの成功事例が出ているのは皆さんもお読みになっているかもしれません。

そんな成功事例は特別だと思わないでください!私のクライアントにも成功している会社はたくさんあります。

その方法は決して特別でも、突飛なアイデアに満ちたもので無く。すごくオーソドックスです。地道な作業です。それを実行するか、どうせ無理と諦めるかが分かれ道になります。

そして、これまでは、どうせ無理と言って、戦略作りに取り組まなくても、やってこれたかもしれません。でも今後の変化の時代ではそれが難しくなると考えます。

今から、準備して、この変化の時代に向かっていく必要があらゆる企業に求められます。

 

 

 

 

AIに使われるか、AIを使いこなすか、それは人間力の差

「これまで上手くいっていたやり方なのに、近頃はそれが通じなくなってきている。世の中の変化が昔に比べて非常に早くなってきている。」というような事を感じている人が増えてきています。

当然です。世の中の変化のスピードは明らかに早くなってきています。

明治維新から第二次世界大戦の終結までが一つの区切りで同じやり方で上手くいった期間だとすると、その期間が約100年。戦後から、ソ連が崩壊し冷戦終結によって、現在のようなグローバル化が進む前までが約50年。そしてインターネットの登場と本格的なグローバル化が大きな影響を及ぼし、日本が「失われた20年」という低成長経済の現在に至る約25年。

つまり、100年、50年、25年と世の中の変化のスピードは倍速で進んでいます。

この調子で倍速のスピードで進むとすると、約12年後には新たな変化の時代に入っていく事になります。

急速に変化している今のAIを中心とした技術革新からすると、12年後の2030年から新たな時代がおとずれると言っても空想だと思えない現実があります。

そうすると、過去の方法ではどうも上手く進まないというのは当然です。不思議なことではありません。

グーグルの創業者であるラリー・ページも「20世紀に学んだことは殆ど間違っている。学んだことを根本から見直す」と言っています。

これまで学んだ知識があるから、経験があるからと言って安心してはいられない変化の時代に今、私達はいるようです。

そうすると、気になるのが、これからの10年から12年で日本がどのように変わっていくのか、そして何が大切になってくるのかという事になります。

これまで私達は、多くの物事を記憶する事で、いかにして知識を増やしていくかで、ビジネスにおいても学業においても勝利を得ると思っていたふしがあります。

しかし、この知識や記憶力はコンピュータに叶うわけがありません。現実に博士論文をコンピュータの検索によって仕上げ、見事博士になっている学生が増えていることが問題なったほどです。

これから大切になるのは、検索によって簡単に手に入る大量の情報から何を読み取るのかだと考えます。

その為には、曖昧な目標やゴールでは無く、明確なゴールが必要になります。曖昧だというのは、「上手くいったらいいな~、売上が上がればいいな~・・・」ではなく、具体的に「1年後は○○になっている。2年後は○○だ」ゴールが必要になります。

そのゴールに向かって、今足りない情報は何だろう、足りない経験は何だろう、不足している知識やスキルをどのように埋めるのか?

そして、なにより大切なのは「仲間」だと考えます。

人が一人で出来ることの限界はあきらかです。一人で可能ならAI搭載ロボットで出来てしまうかもしれません。仲間の知恵、仲間同士の心の繋がりが大きな力になります。

AIやロボットを超えた力になります。

そうなんです、これらは、人が本来持っている力です。思考力、創造力そして仲間と繋がるコミュニケーション能力を磨いていく事が試される時代に入ったのだと思います。

人が短期間に鍛えるのが難しい力がこれからは要求されてきます。ただ、まだ時間はあります。これから、しっかりとした目標やゴールを持ち、これらの力や仲間を築いていきましょう。そうすれば、今後AIに職を奪われたりせず、AIを使いこなし、豊かな人生を歩むことが出来るのではないでしょうか!