営業が頑張ると価格競争になる

今回の記事の題名、「営業が頑張ると価格競争になる」としました。営業担当者の能力不足を言いたいのではありません。時代が変化しその対応が多くの会社で遅れてしまっているがゆえに、なぜ忙しいのに、売上はそこそこ上がっているのに利益が出ない、といったことが起きていることの原因を記事にしました。

まずは、これまでの営業の方法について示し、それが不具合を起こしている要因を明らかにしていきます。

そして、今後の営業の方向について示していければと考えています。皆さん、良ければ最後まで読んでいただければ感謝です。

顧客ニーズのヒアリングは効果があるのか!

営業担当者に、「営業するうえで大切なことは何ですか?」という質問をすると、帰ってくる答えの多くは、「顧客ニーズをヒアリングする」となります。

よく考えてみてください。こんな返事を多くの会社の営業担当者が返してくるのです。ということは、皆さんの会社だけが顧客ニーズのヒアリングをするのではなく、ライバル会社の多くが同じことをしていることになります。

もちろん、営業担当者のスキルの差はありますが、みんなが同じ方向で営業を顧客に向けて進めていることになります。

一方、顧客ニーズをヒアリングするとは何を聞くことですか?と聞くと、ここでもまた多くの答えが、商品の特徴に関した内容、商品の機能、形、色、家やマンションであれば間取り、駅からの時間などです。それに予算も聞くでしょう。

もちろん、業種によって聞く内容は違ってきますが、だいたいが同じ業種であれば似た内容をヒアリングするようです。

みんなが同じことをしていて、どうやって差別化していくのでしょう。

自社の強み(USP)は顧客にどれだけインパクトを与えますか

「そんなこと心配してくれなくても、そんな活動の中で自社の強み(USP)を顧客に訴えかけていくから必然と差別化できますよ!」という答えも帰ってきます。

本当ですか!といつも返しているのですが、ここでも考えてみてください。それならどうして最後は価格のことを顧客から問われ、ライバルよりも安くか、同等の価格で契約することになってしまうのでしょうか。

市場が成熟していて、世の中デフレで・・・

こんな言い訳は経営者や経営幹部は口が裂けても言えませんよね!

そもそも、成熟市場であっても、デフレでも消費者は必要なものは買います。自分にとって有益なものは買うんです。その購入価格が下がっているのがデフレですよね。

昔とは違うという事をハッキリと認識しましょう。顧客は営業担当者やホームページ、ランディングページで見たり、聞いたりした商品の差が、自分の使用にたいしてどれほど重要かを知っています。

昔は、情報不足があったかもしれません。それゆえに顧客は各社の強みが自分の使用に大きな違いを生むと思っていたかもしれません。

しかし、デジタル時代の今は、簡単に情報が入ります。各社の強み、弱みも営業担当者が言う前に知っていることでしょう。

知っている情報を目の前でまた聞くのは結構面倒ですよ。それに、昔は似たような商品を提供する会社を顧客が見つけることが難しかったのですが、今はこれも簡単に提供している会社を見つけることができます。

以前は、ここしかないと思っていた強み、特徴がデジタル時代はあっという間にいくつかの会社が見つかる。各社が情報を惜しみなく出しているから当然ですよね。

顧客の心理からすれば、似たような物であれば、条件のよいところ、価格の安いところから買います。これも当たり前です。

そして、ここで顧客ニーズのヒアリングについて言っておきたいことがあります。

顧客ニーズのヒアリングはどこの会社も同じだと認識させてしまう

営業担当者が先ほどの商品の特徴などの顧客ニーズを聞きます。顧客は質問されているので、自分が思っていることを話します。

この話すことによって、顧客は自分のニーズがどんどん明確になってきます。明確になれば欲しいものがより具体的なってきますよね。

もし、それが一社からしか買えないとなれば、当然その会社から買おうとするのですが、似た会社の商品の価格も調べることになります。そこで、似た商品の価格と比較されて一社しかないにも関わらず値引き要求をされてしまい、場合によっては値引きしてしまう。

顧客ニーズには価格も含まれているので、その価格も明確に脳裏に鮮明になっていくのです。もちろん、その強みの差が事実大きくて、他社がまったく追いつけないものである場合は違いますよ。あくまでも、さほど差がないものことを言っています。

しかし、この価格ニーズは曲者なんです。予算には限りがあるということです。仮に、欲しいものが特定の一社にしかなかった場合でも、同業他社ではないライバルが登場するのです。

ライバルは同業他社とは限らない

予算内で他に必要な商品があったりします。ここで顧客は迷います。どちらか一つにするか、もっと安い物にして必要な物を両方買うか

どちらがより必要か?

ライバル会社ではない会社との競争が顧客の頭の中で起きているのです。そしてどちらかより必要な会社の商品が勝つか、または、より安いけれど使用には耐えられる会社の商品へと流れてしまうのか

「直接ライバルではない会社との競争まで面倒見れないよ」なんて、経営者、経営幹部は言わないでくださいね。ここで選ばれることが会社の成長につながるのですから。

では、どうすれば選ばれるようになるのか!

まずは、顧客ニーズのヒアリングは止めましょう。顧客の意識を違う方向に業界をあげて固定させてしまうことになります。そして、その固定したニーズの戦いを他の業界の会社も巻き込んですることになります。

早く、この競争から抜け出ることです。抜ければ、その会社だけが特別輝きを持つことになりますよね。そうスタービジネスを展開できるんです。

これまで多くの会社がやってきた顧客ニーズのヒアリングは既に顧客が認識しているニーズです。当然、聞かれれば既に認識しているので、答えることができます。だから、多くの会社もみんな知ることになります。

そして、これから営業担当者がしらなければならないのは、その明らかになっているニーズの出どころです。

顧客はWhy(なぜ)その商品を望むのかに注目

Why(なぜ)そのニーズを抱くようになったのかに注目します。

Why?マイホームを持ちたいのか?

Why?マイカーを持ちたいのか? Why?3色ボールペンを買うのか?

なぜマイホームを持ちたいのか?

それは老後の資産形成を考えてのこと!

子供に少しでも自然な環境に触れさせたいから

なぜ3色ボールペンを買うのか?

それは、重要なポイントを分かりやすくさせたいから

それは、急に他の色が必要になるかもしれないから

などなどと、その商品を手に入れるWhyが必ず存在します。それがどんなにありふれた物であったとしてもです。

このWhyに気づいていない顧客は、マイホームの条件を、庭付きで、通勤1時間程度は我慢するとして、予算は・・・などと現状のニーズを言うでしょう。

しかし、このWhyに気づいた会社の営業は、都心から近い適度な自然の残る物件よりも、都心から遠く離れ、価格も予算よりかなり安い、自然がいっぱいの田舎の物件を紹介するかもしれません。

そして余った予算でその田舎の物件のリフォームを提案するかもしれませんね。だって、自然と触れ合うことが大切なんでしょう!適当な自然よりも、週末に大自然の中で過ごしたらどうでしょう。

Whyに気づかせ、顧客を表面的ニーズから引き出す

顧客が想定しない、Whyから出てきた意外な提案は、顧客を固定されたニーズから引きずり出してくれます。

そして、本来の顧客のWhyからあらためて必要なニーズに気づくでしょう。そうなれば、顧客はその会社、営業しか見えなくなります。

このWhyに気づけという事は、以前から開発メーカーや優秀な営業担当者の中では常識的なことでした。

ところが、今のデジタル時代では、あらゆる会社、昨日入社した新人の営業担当者にいたるまで、必要になってきたというのが大きな変化です。

つまり、開発メーカーに限らず、すべての会社が戦略として取り組むことが求められ始めたということです。

そして、これを戦略的に取り組むことが、成熟市場にあっても会社を成長させていくことにつながってきます。

早く、進めましょう!いつまでも価格競争の中で戦うのではなく、顧客との真のWin-Winを築いていきましょ

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