必ず成果をだすPDCAのやりかた

戦略ができた。実行計画もつくり、その活動を推進する為の役割や成果責任の所在も明確になった。

 

「さあ、行動して成果をだしていくぞ!」

 

といっても、直ぐに成果がでることは稀です。そう簡単には望むような成果は出ない。今までには無かった、ポジショニング(戦う土俵)を設定し、そこに顧客を連れてくればいいだけだ、といっても直ぐには顧客は反応してくれない。

 

実行計画の行動を通して、各個人の能力を高めていき、組織力を高めていって、成果が出てくる。

 

つまり、検証が必須になる。仮に望むような結果が出たとしても、それで喜んで終わっていては、望む未来はやってこない。

 

上手くいかないことが続いたとしても、その検証をしっかり行って、自分たちの力を高めていけば、必ず望む未来はやってくる。

 

そんなわけで、PDCAが重要になってくる。ところが、このPDCAが上手くできずに、いつまでたっても同じところをぐるぐる回っている会社がる。

  

今回の記事は、必ず成果がでるPDCAのやりかたについてまとめてみようと思う。

 

その前に、PDCAとは何ぞや?という方もおられると思うので、PDCAについて示していこうと思います。

 

ウイキィペディア(Wikipedia)によると、第二次世界大戦後、品質管理を構築したウォルター・シューハート、エドワーズ・デミングらが提唱したということです。

 

そして、PDCAサイクルという名称は、サイクルを構成する次の4段階の頭文字をつなげたということです。

  1. Plan(計画):実行計画です。
  2. Do(実行):計画に沿って行動する
  3. Check(評価):行動が計画にそっているかどうかを評価する
  4. Act:(改善):行動が計画に沿っていない部分を調べて評価する

この4段階を順次行って1周したら、最後のActを次のPDCAサイクルにつなげ、らせんを描くように1周ごとに各段階のレベルを向上(スパイラルアップ)させて、継続的に行動の質を改善していく。

 

このような説明がウイキペディアにあります。この説明どおりに進めば、業務水準はどんどん良くなっていく。

 

ところが、一歩も前進せず、おなじところをぐるぐる回ってしまうのはどうしてでしょうか?

行動が目的ではなく、目標とする成果が目的であることを忘れている

計画をつくる時に、できることを計画する。それは正しいことだと思いますが、そのできることをすべて実現したときに、目標とする成果がでていなければならない。

 

ところが、この検証がなく、単にできることを計画していることがある。ひどい組織では、そもそもの目標を引き下げて、できる行動を目標にしてしまう。

 

製造部門で例えるならば、品質不良を10%以内にするという目標があった場合に、その10%を目標にせず、「品質チェック回数を1日に3回実施する」とか「業務引き継ぎ時のミーティングを行う」とかが行動でありその回数が目標となってしまう。

 

結果が品質不良10%を超えていたとしても、チェックを3回、引き継ぎミーティングを実施しているので、オッケーでそれ以上の検証が進まない。

 

客観的に見ていると、そんなばかなこと思うことが、実際に起きていたりする。そうでなくても、日々の行動がチェック回数やミーティング回数を目安にしていて、1か月後や3か月、半年後に品質不良10%ができたかどうかを検証しても、活動はできているのに結果がでないと悩むだけで進まない

 

営業の現場でも似たようなことがおきる。目標対前年売上110%とうたっていても、日頃の営業活動の目標が、1日訪問件数5件。という感じで、その5件がほぼ達成していても、売上目標に到達しない。理由は「市場が悪化したから」と、わけのわからない言い訳をする。市場の悪化は前から分かっていたことでしょう!

 

目的や成果と比較して検証しなければならない

そもそも実行計画は戦略目標つまり成果をだすために計画するものです。なのでPDCAのC(チェック)は、その戦略目標や成果と比べて、どこまで進んでいるか、どんな行動が上手くいって、それはどうしてか?どんな行動が上手くいかず、それはどうしてか?どのようにその行動を改善するかといった検証がなされなければならない。

 

ところが、「そのような成果がだせるのは、短くて6か月後、いやいや3年後ですよ。そんな先の目標と日々の活動は比べられないですよ」という反論がでてくる。

 

それで、先行指標を置くことになる。日々の行動が最終成果に向かって進んでいるかの指標をおく。

 

先行指標をめんどうくさがらずに置く

先行指標を置くのは、なれないと結構むずかしい。先ほどの例の、チェック回数やミーティング回数。営業の場合の訪問件数も先行指標と考えればよいが、これだけでは、その行動が最終目標に近づいているかが分かりづらい。

 

そこで、先行指標として定性指標をおく。定量的に計りづらいもの、社員の体調、笑顔の数、雰囲気、顧客の笑顔、顧客からの質問の数など、業務の質、内容に関する指標をおく。

 

多くの会社で、指標は誰でも分かる定量指標をおくことがすすめられているようだけれど、これだけだと行動が目的になってしまうことが多くなる。

 

定性指標を使い、自分たちの理想とする行動と比較する。十分な体調で業務に従事できているか、今日の訪問で顧客にどれくらい話させたか、一緒に働くメンバーの笑顔をどれく引き出せたか・・・

 

なので、戦略がたてられた時点で、その戦略が実現している時の理想の状態、社員の活動、上司の活動、顧客の状態などを描いておくと定性指標もたてやすい。

未来のすがたをしっかりとイメージする

行動があって結果が出る。今から未来に向かって行動をはじめて、その目指す行動が出来上がったときに、望む成果がだせる。

 

実は、実行計画作成時点でこの未来のあるべき姿をイメージしているはずである。そn未来から今を見て、行動計画を作成した。(未来志向)

なので、この未来のあるべき姿と比較して、今の行動を改善してく。定量的なことに加えて、能力の向上も含めた、質、内容の比較を行う。そうすることで、一歩一歩社員、組織の力があがっていく。

 

PDCAサイクルの間隔を短くする

さらに、定性指標の感覚がわかれば、PDCAサイクルの間隔を短くする。時代は急速に変化している。今日は成功したやり方が、明日には通用しなくなることもあるかもしれない。日々状況が変化する

 

現状は、1か月に1回の検証を行っている会社が多いように見られるが、サイクルをもっと短くしてもかまはない。その場合には、実行計画に関係する社員の全員が集まらなくてもよいかもしれない。

 

とくに関係する数人、二人、1人でもかまはない。現状の状態をいち早く確認し、未来との比較から次の行動を決めて動く。そして検証する。

 

早くサイクルを回せば、良いというものでもないけれど、定性指標を理解し、自分で判断する習慣ができれば可能なことであり、より早くゴールに向かう可能性がひろがる。

 

これに関しては、会社によって難しさもあるけれど、日々、1人以上の小グループでPDCAサイクルを回せる組織はこれからのあるべき一つの姿のように思う

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