責任とは能力を示すもの            ~責任を楽しむ~

「責任」という言葉を聞くと、多くの人が「責任を取らされる」というネガティブなイメージを抱きがちです。特に、何か問題が起こったときに責任を問われる場面が多いため、責任を避けたいと考える人も少なくありません。

しかし、責任とは単に負担を強いられるものではなく、「責任を取る能力がある」ということを示すものです。

責任のない仕事は存在しない

責任を伴う仕事を嫌がる人もいますが、実は責任のない仕事というものは存在しません。唯一、あるとすれば、それは全てを他人や環境のせいにすることです。

しかし、それでは主体性を失い、自らの成長の機会を放棄することになります。


例えば、ある企業の新入社員Aさんは、「自分はまだ新人だから責任のある仕事はしたくない」と考えていました。しかし、先輩社員の指示通りに動いていたある日、ライバル製品を使用しているクライアントに、自社の新製品のサンプルの送付を依頼されました。

ところが、新製品ではなく、ライバル社製品に性能として劣る、既存製品を送付してしまいました。結果は、自社の契約は取れませんでした。


Aさんは「先輩が最終確認をしてくれなかったから」と言い訳をしましたが、クライアントにとっては「誰のミスか」は関係ありません。結果として、契約は取れませんでした。


契約が取れなかった責任は、先輩社員が負いましたが、Aさんも、発注ミスの責任を上司から指摘されることになりました。


ここで、Aさんがその責任を自分事として捉えられれば、良いのですが、他責にしていれば、恐らく、仕事は減っていくと考えられます。


責任を取らない人には、仕事を任せられないからです。

最低限の責任とロボットのような働き方

それでも、責任の範囲を最小限にしようと考えた場合、指示に従うだけの仕事が想定されます。そこからさらに責任を減らそうとすれば、もはやロボットと変わりありません。

ロボットであれば、何か間違いが起これば、それは指示を出した側のミス、部品の不具合、またはメンテナンスの問題として処理されます。

つまり、自らの判断が必要ない仕事には、本来の意味での責任が伴わないのです。そして、そのような仕事はロボットに任せる方が、効率も良くなります。

責任が重い仕事は敬遠すべきか?

このように説明すると、「責任を取りたくないのではなく、重い責任のある仕事はしたくない」と考える人もいるでしょう。

それは確かに一理あります。しかし、責任が重くなるほど、権限も大きくなり、それに伴い収入も増えるのが現実です。会社においても、責任の大きいポジションほど、決定権があり、報酬も高くなります。


また、企業のリーダー職にある人は、部下の育成や経営戦略の立案など、大きな責任を担います。しかし、その分、自分の裁量で仕事を進めることができるだけではなく、仕事を通して学ぶ機会が増えます。

そして成果を出せば評価も高まり、収入も増えます。責任を負うことは、自己成長の機会であり、より良いキャリアを築くための重要なステップなのです。

責任を受け入れ、自らの可能性を広げる

ここで問いかけたいのは、「あなたはどれだけの権限を得て、どれだけの収入を得たいですか?」ということです。責任、役割、収入は切り離して考えることはできません。

どんな仕事をしたいのかを真剣に考えたとき、責任を「能力を発揮する力」だと捉え、積極的に責任に向き合う姿勢が求められるのではないでしょうか。


昨今は、起業が進められています。起業家は全ての責任を自分で負う覚悟がなければ起業そのものが上手くいきません。そして、経営がうまくいけば成功の果実を手にできますが、失敗すれば全てのリスクを自分が背負うことになります。

しかし、起業家たちは「自分の責任で自由にビジネスを進められる」ということに魅力を感じ、それに挑戦するのです。


さらに、それだけではなく、責任を自分で負うという姿勢が、起業のプロセスの中で、ビジネスを学ぶだけでなく、人としての成長も得られます。


責任を避けるのではなく、それを自らの力の証明と考え、前向きに取り組むことで、より充実したキャリアと人生を築くことができるはずです。責任とは負担ではなく、自己成長のチャンスだと考えてはいかがでしょうか。

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