日本女子団体パシュートチームが教える低成長市場で勝つシナリオ

日本女子団体パシュートチームがオランダに勝利するための3項目

~それは、低成長市場にいる企業が成長するための3項目~

平昌オリンピックスピードスケート女子団体パシュートはオリンピック新記録で絶対王者オランダを破って金メダルを獲得した。

決勝のオランダチームは全員がメダリスト、それに対しての日本チームは唯一高木美帆が個人ベストでオランダチームを上回る成績を残している

個人タイムをみれば、明らかにオランダが有利。しかし、今シーズンの日本チームはこれまで世界新を滑るたびに塗り替え、オランダに勝利している。

そのあたりの勝因は、多くのメディアで解き明かされている。しかし、そんなチームは今日明日で出来上がったわけではない。

4年前のソチオリンピックでは、日本はオランダに12秒という大差で負けている。リンクの半周近くも離されての、敗北。それは100分の1秒を競うスピードスケートにあっては屈辱的敗北といえる。

この敗北から、今回の勝利の瞬間が始まっている。4年という時間を金メダルに向かって歩み続けてきた。12秒という差を埋め、なおかつ追い抜く為に一つずつ進み続けてきたことが今回の結果を生んでいる。

ここから、低成長市場にいる企業が学ぶべきことは何か?

スピードスケートでの12秒という差は、目の前にどうしようもない大きな大きな壁が我々の前に立ちはだかり、進むのを阻んでいるかのようなものである。

低成長市場にいて、打開策が見えず、ライバルが巨大すぎて、ただただ手をこまねいて流されているような状態なのかもしれない。事実、オランダチームの個のちからは圧倒的に日本の個の力を現状でも上回っていた。

どこに活路を見出すか?「低成長市場にあっては、この活路が分からないから苦労しているんだ」という声が聞こえてきそうだ。

金メダルを獲得した今、多くのメディアで日本の勝因が報道されている。大きく2つの要因がある。一つは空気抵抗を極限に減らす隊列の美しさがあげられている。3人が一直線に並ぶ隊列は他チームでは出来ない。

それに加えて、隊列の交代の早さがあげられる。早く、隊列の順番を行うことによって、タイムロスを減らす。この2つによって、個で圧倒的に勝るオランダに勝利したという。

つまり、「活路」とは、そのチーム、組織、企業の他とは違う、“強み”をどこに設定するかである。あるいは、“どこの土俵で戦う”かである。

オランダチームも空気抵抗を減らす重要性や順番後退の早さがタイムロスを減らすということは十分承知している。しかし、“強み”は個の力であったと推察できる。個の力を高め、チームとしての隊列、順番の入れ替えの精度を上げるのが戦略とする。

日本は、チームとしての隊列、順番の入れ替えの精度を極限に高め、個の力を伸ばしていくという戦略といえる。戦う土俵をチームに置くのか、個の力に置くのかである。

話を低成長市場にいる企業に戻すならば、低成長市場の中にあっても成長を続ける為には、まず、“戦略”が一番にくる。そして、それは“戦う土俵”をどこに置くかを決める事にほかならない。

自社の商品やサービスの特長、これまで積み上げてきた顧客対応などの棚卸をしつつ、自社の“強み”を特定し、それを最大限に生かす“戦う土俵”を決めていく。

しかし、低成長市場にある企業の経営者は、「そんな土俵で戦えれば、確かに当社も成長できるかもしれないが、とうてい今の力ではそんな土俵で戦えない」と話す。

間違えてはいけないこと、それは“活路”とは“勝利”ではない。勝利につながる道のことです。従って、土俵を決めたから、勝てるわけではない。その道に向かって、最大限の自社の力を発揮させていけば、勝つことが出来る道である。

日本チームが300日間、常に一緒にいてチームワークを洗練させてきたように、精進が必須である。土俵を決めれば、その土俵に持ち込めば勝てる力が必要である。その土俵に持ち込むための戦術が必要である。

日本チームもソチが終わった翌年に、今のチームを作ろうとしたら、「いやいや無理でしょう」となっても仕方がない。4年という時間があるからこそ向かえる。

低成長市場にいる企業も、戦う土俵を決めたら明日から、成長できるわけではない。そして、直ぐに結果を求めてしまうから、「どうせ無理」という思考がどうしても立ち上がる。

ある程度の時間は必要である。だからこそ今、成長が鈍化している企業は早く手を打つ必要がある。時間が必要といっても、最短で90日あれば、企業は変われる。未来の成長企業に向かってスタートが切れるのである。

日本チームも、“戦う土俵”を決め、その為に何を鍛えていくのか、伸ばしていくのか、それをどのように実践していくに関しては、さほど時間を使っていない。

低成長市場にいる企業も90日あれば、“戦う土俵”を決め、そこで戦い、勝利を得る為に、自社に足りない能力、経験などを特定できる。そしてその土俵で、自社の力、個の力を最大限に引き出す組織環境も決めることが出来る。

逆に90日も必要なのは、これまでの思い込み、固定概念も捨て去って新たに“戦う土俵”を決めるのに、顧客調査や市場分析が必要であり。足りない経験や能力を見極めるのに、最前線で働く社員の動向や意識を知る必要がり、それらじっくり行えば90日程度あれば可能だということである。

いつまでも、同じ場所にとどまっているのは、進む方法を知らない、方法が間違っている。あるいは、分かっていても、早く望む最終結果(金メダル)を求めすぎて、諦めてしまうということが起きているかもしれない

企業のよって個々の方法があるが、実践するプロセスは変わらない。

  1. “戦う土俵”を決める。(自社が勝てる土俵)
  2. その土俵で戦う為の、能力、経験を積み上げる。その為の実行計画の作成と実践を行う
  3. その実行計画(戦術といってもよい)を効果的に実践できる組織環境を整える

この3項目はどこの企業も同じだと考える。

この3項目を実践して、低成長市場の下にあっても、成長を続け、社員が元気で社長が輝いている会社をつくっていきましょう。

 

 

低成長市場で成長するための大原則 ~ビジョナリーカンパニー③から読み解く~

低成長市場にいて、所属する業界そのものの成長が鈍化している。日本の多くの企業が実は、このような状況に置かれているのかもしれない。

だからといって、「そんな市場環境なんだから、うちの会社も成長しなくても仕方がないな・・・」などと少しぐらいは思うことはあったとしても、会社の成長を止めるわけにはいかないと思うのが社長や経営幹部ではないだろうか。

そんな皆さんに参考になるのが、ビジョナリーカンパニーシリーズだろう。特にビジョナリーカンパニー③衰退の五段階には、低成長市場にいる企業にとっては、低成長にいるからこそ陥るワナや低成長市場にあっても成長を実現するヒントが示されている。

そこで、私の解釈で、これらのヒントを抽出してみた。

傲慢さの排除

ジム・コリンズは企業の衰退は、成功を実感している時から既に始まっていると言う。「成功から生まれる傲慢」である。ビジネスに限らず、誰でも、成功を実感した時には、しばし、その成功に酔いしれる経験をしていると思う。

それが悪いと言うことではない、そこから生まれてくる“傲慢さ”が後に悪い影響を及ぼすと言う。そして、勘違いしてはいけないのが“傲慢さ”の意味である。

ここで言っている“傲慢さ”をポジティブな言い方をしてみよう。

成功体験から、次のさらに大きな成功を目指す、意欲と自信。自信から生まれる積極性。自信から生まれる俺についてこい的な強いリーダーシップ。

これらは、成功を積み重ねるにつれ大きくなる。しかし、これらは裏を返せば、全てが傲慢につながる。意欲も自身も積極性も、そして強いリーダーシップも視点を変えれば“傲慢”になる。

意欲、自信そして積極性などの経営者にとって重要な姿勢が“傲慢”になるのは、そこに客観的データが不足しているからである。例え、成功したとしても、その経営判断が経営者の直感や思い込みから生まれているのであれば、“傲慢”と言わざるおえない。

データをもとに判断してく姿勢が“傲慢”を排除することにつながる。しかし、今の情報化社会においては情報が氾濫しているし、あれもこれも必要だと考えだすときりが無くなり、「優柔不断で決定が出来ない」と言われかねない。

では、どのようなデータを持つ必要があるのか?それをジム・コリンズは「What(何)からWhy(なぜ)への以降」という表現をしている。

Why(なぜ)顧客は数ある会社の中で我社を選んでくれているのか?

Why(なぜ)顧客は我社の商品・サービスを選んでくれているのか?

Why(なぜ)顧客は我社の商品・サービスで満足しているのか?

Why(なぜ)我社は存在しているのか?

このWhy(なぜ)の答となるデータをとることで、経営判断はより成果を生み“傲慢”は排除される。

でも、これらのデータをどのようにして取ればよいのか分からないという方もいると思うが、Why(なぜ)我社は存在しているのか?以外は必ず取れる。

そして、これらは常に念頭に置き、時代の変化と共に更新させていく必要がある。それが次に大切な“規律”へとつながる

規律ある行動

ジム・コリンズは“規律ある行動”が企業を偉大にすると言うが、これはどうすれば出来るのだろうか?

その前に“規律ある行動”について誤解しないようにしたい。ここで言っている“規律”とは、上司の指示に部下は服従し、忠実に行動せよというように単純に捉えてしまうと方向を間違える。

“規律”がルールであることに違いはないが、そのルールがどこから生まれてくるかが大切である。経営者、上司の個人的なものから来ていれば、それは“傲慢”である。

“規律”というと軍隊をイメージするかもしれないが、軍隊はWhy(なぜ)存在するのかと言えば、国民の安全を守る為、しいては平和を維持し、安心な世界に貢献している言える。その為に“規律”が存在する。

つまり、Why(なぜ)に対しての答えを実現する為に“規律ある行動”をとる必要性が出てくるのである。

企業の拡張、組織作り、商品開発、など企業活動全てがWhy(なぜ)を実現する方向に向かって一貫性を持って行動していく事が“規律ある行動”になっていく。故に、その実現に向けた目標は必達であるべきものである。

「少し高めの目標が人や組織を成長させる」と言われるが、この言葉は甘いと言わざる負えない。ここに必達と加える必要がある。高い目標でチャレンジングだから、たとえ未達でも良いという考えが起きるならばその考えを排除させる必要がある。

なぜならば、目標ありきではない。Why(なぜ)に応えていく為の目標であり、その達成は、会社そしてそこに働く社員全員の存在を示すことにつながるからである。

今、低成長市場にいる企業はこの“規律ある行動”を今一度見直すことで、成長の階段を上ることが継続的に可能になる。そして、この“規律”が次のリスクと問題の捉え方に影響していく

リスクと問題の正しい理解

リスクを取れ!リスクを取らなければ大きなことは出来ない、前に進めない。などとリスクを取る事がビジネスを成功に導くという声が多く聞こえる。

しかし、ジム・コリンズは偉大なリーダーはリスクを取らないと言う。仮に成功した時の成果が会社を何倍にも大きくするようなものであったとしても、それが、思い通りに進まなかった場合の損害が会社を危機に陥れるようなリスクは絶対に取らない。

リスクの考え方は、「リスクは取らない」としたいが、多くの失敗は、リスクが見えず、成功した時のイメージだけで物事を進めてしまい、会社に大きな危機をもたらしてしまう。

なので、リスクの考え方は、どんなことにもリスクがある。リスクが見えないということは何らかの情報が欠落している。リスクが見えて、その対処方法が明確になるまで進めない。さらに、あらゆることでリスクを最小限にして、物事を進める。

では、何もチャレンジしないのか!と言うことではない。リスクをしっかりと客観的に捉え、それを最小限にすることを怠らず、チャレンジするのである。一か八かの博打をするのではなく、確実に勝つチャレンジをする。仮に負けてもその被害を最小限にして、次のチャレンジの機会を作っていくことが、リスクの捉え方である。

そして、問題とは、リスクを抑えることをしないことが問題である。リスクを抑えて勝負し、仮に負けても、次の勝負に勝つためのデータがそろう。勝負で負けてしまって、次の勝負ができなければそこで終わってしまう。経営者が絶対避けなければならないことである。

さらに、「時間軸リスク」ということをジム・コリンズは示している。今、目の前に迫っている危機に関しては、直ぐに対処するが、時間軸が長いリスクへの対処を伝えている。

まさに、低成長市場にいる企業はこの時間軸リスクに対処しなければならない。まだ、会社は収益も出て、余裕があるが、でも将来は暗い。どうするのか?「手をこまねいて放置」。そうだとすれば、この放置が最も大きな問題である。

「明日にも最高の結果が欲しい」となると、打ち手が無くなるかもしれない。しかし、時間はまだある。時間軸を長く取って、少しずつ前進する。小さな弾丸を少しずつ撃ち、的を絞っていく。

でも、その為には、やはりWhy(なぜ)が重要なポイントになってくる。これが無ければ、どの方向に的を絞ってくか見当もつかない。唯一あるのは業績の回復になってしまう。そうなれば、いくつ先は、新規ビジネスになるのだろうか?

ジム・コリンズが言う、「一発逆転の追求」になってしまう。新規ビジネスが悪いといっているのではない。一発逆転というものはビジネスの世界には無いと言うことを言っている。新規ビジネスにしても大きな成果を得るには、準備と多くの失敗の連続によって得られる。ただ、やみくもにやれば成功するというものではない。

その新規ビジネスの成功の鍵もWhy(なぜ)に答えていくことになる。

まとめると、低成長市場で成長を継続させていく為には、

  1. Why(なぜ)に答えて、それを明確にしていく
  2. それに応えていく為に“規律”と一貫性を持って行動する
  3. リスクは全てに存在する。行動しないこともリスクになる。そのうえで、リスクを最小限にしてチャレンジする
  4. 一発逆転は存在しないことを理解する

低成長の市場に在っては、企業は苦しい戦いを強いられていると思う。そこで、一発逆転を狙いたい気持ちもあるが、ビジネスに、一発逆転はないとするならば、我々が取るべき道は、初心に戻って、王道の成功法則に沿った活動になる。

低成長にいるから、この法則に沿うか、目の前の出来事に一喜一憂するかで、近い将来に大きな差を生むと確信する。

成熟市場にいる中小企業が如何にして偉大になるのか ~ビジョナリーカンパニー④から学ぶ成功する為の方法~

ジム・コリンズ氏の「ビジョナリーカンパニー④」には、中小企業や起業したばかりの企業が偉大になっていた成功要因が分かり易く記載されている。

ただ、分かり易いと言っても、一見すると「当たりまえ」の内容だと思ってしまうこともある。成功する人は、そうするんだろうな。もともと能力がある人だから、そうできたんだろうな。自分には難しいな。なってことを考えてしまうかもしれない。

そこで、誰でも実践できるように、「ビジョナリーカンパニー④」を、勝手に読み解いてみた。独断と偏見に満ちた内容になっているかもしれないが、その点は初めにお詫び申し上げます。

さらに、誰でも実践できると書いたが、どんなことでも、努力は必要で、努力なしに実践できるということはないので、その点もご了承お願いします。

 

思い付き、希望的予測、根拠なき悲観の排除

ジム・コリンズが描く偉大なリーダー(著書ではX型リーダーと呼んでいる)の特長的なのは、実証データから全てを判断していく事である。

知らない人からすると、「大胆にリスクをとっている」「決断が大胆で早い」などとみられる偉大なリーダーであっても、実証データから判断しているというのである。

それらは、実証データが鍵になってくる。思いつきも無ければ、希望的観測も、根拠なき悲観も無い。だからこそ、自信を持って判断し、行動に移せる。

では、どんなデータが必要で、それらをどのようにそろえれば良いのか?実は、ここにセンスや才能が必要になってくるかもしれない。そんなことをいうと、やはり凡人には無理だと思う人が出てくるかもしれないが、そんなことはない、凡人にも可能な方法がある。

それは、“実証データで判断する”という強い姿勢です。つまり、データが無ければ判断しないということになります。ただ、判断しないでは終わりません。判断する為に、どのようなデータが必要になるのか、そのデータが無ければどのようにそのデータをそろえていくのかが必要になります。

ところが、多くの人は、データを取る時間や労力を惜しみ、そこで判断してしまいがちだと言う事です。

実証データで判断する

ここでよく聞く言葉は、「でもデータが無くても判断しなければならない事がたくさんある。判断しなければ何も進まない」

ここでの話は、経営者や経営幹部の話です。会社の進む道や、部門の進む道を判断するときに、データがないけれど決めなければならないことがどれくらいあるのでしょう。一度検証する事をお勧めします。

一つも無いと思います。

新規ビジネス、新製品の開発、ローンチ、販売戦略の作成に決定などなど、データはすべて必要です。データで判断すると決めれば、必要だと思えるデータが、「あれも必要、これも必要」とたくさん出てきます。

むしろ、必須ではないデータもあって、整理するのがたいへんになります。そうやってデータにふれることで、本当に必要なデータが自然と分かるようになります。

決めることは、「実証データで判断する」です。

 

未来から現状を観る

次に、やらなければならないことは、「未来から現状を観る」です。これは、ビジョン、目的、目標になります。

多くの人は、現状からビジョンや目的を観ています。そこで何が起きるかと言えば、「

難しい」「これ以上何をすれば良いのだろう」「今の仕事量のままだと新しいことは出来ないよ」などといった、出来ない現実です。

社員は、口に出さなくても、頭の中で思っているのかもしれません。社員だけではなく、社長も幹部もひょっとしたら、「うちの現状じゃ、達成は難しいだろうけれど、目標に掲げたら何とかなるかもしれない」などと思っているのかもしれないですね。

そんなこと考えていたら、絶対に達成できません!だから、未来から観ていく必要があるんです。ビジョンや目的が達成している状態から見て、現状のどんな力が足りないのか、それをどのように加えてくのか。どんな行動が必要で、それをどのように変えていくのか、その為に組織編成はどうあるべきか等

営業であるならば、今までは担当者に合っていたのを、経営幹部や経営者に合って提案している未来があるならば、アポイントの取り方、提案内容を変えていかなければならないでしょうし、社員をサポートする組織創りなども必要になるかもしれません。

さまざまなものが見えてきます。それらを一つ一つ身につけていきます。そうすれば達成するのです。逆に身につけず、放置すれば何も変わりません。

規律を生み出す方法

未来から現状を見据えて、どんな力をつけて、何を変えていくのかを決めて、目標を設定していきます。それらを実現していけば、ビジョンは達成することが明らかになります。

そんな状況で、あなたは、それらを実行しませんか?実行していきますよね、何がなんでも実行して、ビジョンを手に入れますよね。自然と規律が生まれます。

そこには、目標を達成すれば、手に入るものが明確に見えています。目標達成する上での足りない力や経験なども組織としてサポートする体制が整っています。社員も、苦しい時でも歯を食いしばって目標を達成しようと思うはずです。

そうして、ジム・コリンズの言う、規律が生まれてきます。規律ある組織で、目標を達成し続ける為には、ビジョンから見た戦略と実行計画です。

 

ビジョンからのPDCA(検証)

次に重要なのは、PDCA(検証)です。ジム・コリンズは「銃弾を打って後に大砲を打つ」と言っています。

ビジョンに向かって、これまでと違った、行動をとっていきます。思い通りにいくこともあれば、上手くいかないこともある。大半が上手くいかないことになるかもしれません。しかし、それらは銃弾です。照準を調整して、的に近づけていくのです。

PDCA(検証)は、この的に近づけていくことです。つまり、PDCAを進めるたびに力が身に付き、その行動がビジョンや目的に向かうように照準が合ってくることが必要です。

なので、PDCAの照準はビジョンや目的です。ところが、多くの人は、計画通りに結果がでたかどうかに関心を寄せて、結果がでれば満足して終わってしまう。検証と言うものがほとんどされずに終わってしまう。

結果が出る、出ないは問題ではないのです。ビジョンに照準が合うように、行動を微調整していくのがPDCAなのです。

3つ目の大切な項目は、ビジョンに照準を合わせたPDCA(検証)を行うです。

時間軸を意識する

ジム・コリンズはリスクについて書いていますが、その中で時間軸リスクに関して見逃してしまうことが多いように思います。ひょっとすると、見逃してしまうというよりも、手をこまねいて時間が過ぎていくと言った方がよいのでしょうか?

今、会社が成熟市場にいて、成長が鈍化している。今、会社が衰退市場にいて、市場と共に業績が落ちてきている。今は、ライバルがいないが、いつ大きなライバルが登場してもおかしくない状況にある・・・

現状の会社が置かれている状況は、急に倒産などの危機は全くないが、未来は決して明るくないといった状況にあるのが時間軸リスクです。未来が明るくないことが分かっているのに、手を打てない。

こういった状況にある会社のある幹部が言います。「こんな市場状況なって、何が出来るんだ。ビジョンなんて描いても何もできやしない」

何もしないのであれば、このまま市場と共に縮小してください。と言いたいところです。今、直ぐに状況を好転させようとするから、「何も出来ない。やれない」となってしまう。会社の現状に合わせて、もっと時間軸を長く取ってみませんか!

1日では出来ないことも、1週間あれば出来るかもしれません。1年で無理なことも、3年あればできるかもしれません。5年で無理なことは10年あればできるかもしれません。長い時間軸でリスクを捉えて、その回避策を練ってみましょう。選択肢は広がるはずです。

4番目の項目は、成熟市場、衰退市場にいるのであれば、今この瞬間からそこから出る、行動を取りましょう。銃弾を打って的を絞っていきましょう。

長い時間軸を取って、今から準備を始めることが重要です

以上、ビジョナリーカンパニー④から学ぶ、成熟市場にいても、衰退市場にいても、資金や規模が小さくても、偉大になれる方法です。

実践することには、努力と慣れが必要です。客観的に見てくれるメンターやコーチがあれば実践しやすくなることもあるかもしれません。

いずれにせよ、実践することにリスクは少なく、実践しないリスクは大きいと思います。是非みなさん、実践しましょう。

ご意見、反論などありましたら、頂ければ、今後の活動に生きてきますのでありがたいと思っていますので、ご意見ある方は意見をいただければと思います。