ソーシャル・インテリジェンス(社会的知性)

ソーシャルインテリジェンス(社会的知性)とは、人との関係構築やコミュニケーション能力を高め、相手の感情や意図を理解し、適切に行動する能力のことを指します。

なぜソーシャルインテリジェンスが現代の時代背景において必要不可欠とされるのか、そしてどのようにしてソーシャルインテリジェンスを身につけることができるのかについて、今回の記事は進めていきたいと思います。

ソーシャルインテリジェンスの力を活用し、人間関係や仕事のパフォーマンスを向上させるヒントをお届けしますので、ぜひお読みください。

ソーシャルインテリジェンスとは

まずは、ソーシャルインテリジェンスとはどんな能力なのかを示していきたいと思います。

ソーシャルインテリジェンスとは、人々との関係を構築し、コミュニケーションを円滑に行うための知識やスキルのことです。これには、相手の感情や意図を読み取る能力、適切な表現方法を選ぶ能力、他者との共感や協調を築く能力などが含まれます。

ソーシャルインテリジェンスは、単に他者の行動を観察するだけではなく、相手の心理を理解し、適切な対応をすることが求められます。

そもそも人は、感情の動物であることを忘れてはなりません。私たちは感情によって喜びや悲しみ、怒りや恐れを表現し、相手と共有することができます。

これは、私たちが人間関係を築き、コミュニケーションを取る上で非常に重要な要素です。相手の感情を読み取ることで、適切な対応ができ、深い信頼関係を築くことができます。

そして、「そんなことは分かっている。だけど仕事の場合は、人は感情に押し流されてはいけない」と考えているとしたら、それは間違いです。

人間関係の多くのトラブルは、ほとんどが感情のもつれから問題をこじらせてしまいます。もちろん、それは仕事においても同じことです。

なぜならば、たとえ理性的な人であっても、感情に動かされるからです。ようするに、感情は私たちの意思決定において重要な役割を果たしています。ソーシャルインテリジェンスは、自分の感情だけではなく、他者の感情にも敏感になることを意味します。

相手の感情が高ぶっている状況では、冷静な対応をする必要があります。適切な表現方法を選び、相手を理解し、共感することで、より良いコミュニケーションを築くことができます。

ゆえに、ソーシャルインテリジェンスは、私たちがより良い人間関係を築くために必要なスキルです。相手の感情や意図を読み取る能力は、ビジネスや人間関係の世界で非常に重要です。ソーシャルインテリジェンスを磨くことで、より効果的なコミュニケーションができるだけでなく、相手との信頼関係を築くことができます。

ソーシャルインテリジェンスがなぜこれからの時代に必要なのか

コンピュータや機械の進歩によって、多くの仕事が自動化され、AIに置き換えられるという予測がされています。しかし、人間の感情はAIが完全に再現することができません。AIは論理的な思考や知識を持っていることで有名ですが、感情や人間性を持つことはできません。

人間の感情は、コミュニケーションや意思決定、問題解決など、多くの面で重要な役割を果たしています。

感情は、人々が互いの気持ちや意図を理解し、適切に対応するための重要な要素です。感情に基づいた意思疎通は、ビジネスや人間関係の構築において欠かせません。AIは感情を持たないため、複雑な社会的な状況や人間関係の構築においては限定的な役割しか果たせません。

ゆえに、ソーシャルインテリジェンスは、今後の時代においてますます重要性を増していきます。人々はますますコミュニケーションツールやテクノロジーを利用するようになり、仕事環境も多様化しています。これにより、論理的思考や知識はAIを活用し、人は、人々との関係を築き、チームで協力して働く能力が求められるようになってきます。

ソーシャルインテリジェンスを鍛える方法

ソーシャルインテリジェンスは、習得が可能なスキルです。以下に、ソーシャルインテリジェンスを鍛える方法をいくつかご紹介します。

  • まずは自分の感情を理解する

過去のビジネスパーソンは「仕事で感情的になってはいけない、常に理性的でなければならない」というような固定観念に縛られていたように思います。

この固定観念によって、感情をどこかに忘れてきた人が多くいるように思います。

不安や恐怖そして大成功した時の喜びなどの、激しい感情は湧き出てきても、日常の些細な出来事においての感情は、見ないふりをしているように思います。

そこで、まずは自分の感情に気づくことが必要です。日常の中で、顧客はもちろんのこと、上司や同僚そして部下や後輩の言葉や行動で、自分自身がどんな感情を持ったかを観察し、気づく練習をします。

それによって、自分自身の感情の動きを知ることができるようになります。また、些細なことで感情が動くことも知れます。

  • 他人の感情に共感する

自分の感情に気づく練習をしているうちに、他人の感情や立場に共感することもできるようになります。

自分自身を相手の立場に置いて考え、感じることを意識することで、相手の感情を理解しやすくなります。

ただし、同調と共感を区別するようにしましょう。相手の立場や感情を理解することと、相手にどっぷりとはまり、相手と同じになってしまうと、立場や役割が崩れてしまい、チームワークの価値が薄れてしまいます。

相手に共感しつつ、互いの立場や感情のもとに、チームの目的や目標に向かって互いの役割を担っていくことが大切です。

  • フィードバックを行うこと

共感し、お互いの役割を担い、チームとしての目的に向かうということで、他人とのフィードバックは、ソーシャルインテリジェンスを高めるための効果的な方法です。

相手の行動や発言に対して建設的なフィードバックを行うことで、相手との関係を深めることができます。また、自分自身も他人からのフィードバックを受け入れ、改善する姿勢を持つことも大切です。

まとめ

ソーシャルインテリジェンスは、人間の特性である感情と社会的な能力を活かす重要なスキルです。今後の時代において、AIが重要な役割を果たす一方で、感情や人間関係に効果的に対応する能力もますます求められるでしょう。

しかし、分かっているだけで、その能力を身につけなければ、意味はありません。

そのうちに勉強しようも遅いです。急速に変化が進む中、過去のやり方が通用しなくなってきています。何となく、前のやり方だと売上が伸びない、社員のモチベーションが上がらないで終わっていては、取り残されます。

今すぐにでも、ソーシャルインテリジェンスを鍛えましょう。そうすることで、より豊かな人間関係の構築や成功への道を拓くことができます。

物語から無意識のメッセージを見つける方法

物語には私たちが無意識のうちに抱えるメッセージが込められていることがあります。その言葉やストーリーが私たちの内面と対話することで、新たな洞察や気付きをもたらすことがあります。

本記事では、物語から無意識のメッセージを引き出す方法について探求します。簡単な物語を作成し、そこに表現された言葉の中で特に印象に残るものを選ぶことで、自分自身の内なる声に気づくことができるかもしれません。

物語が持つ深層の意味を解き明かし、自己探求の旅に役立つヒントを提供します。物語の力を通じて、私たちの内なる世界に光を当てていきましょう。

誰かを幸せにする物語の価値

幸せになることは誰もが望んでいることです。そして、困難または幸せではない状況から幸せになる過程は、幸せになるすべての人が進む過程でもあります。つまり、そこには3つのステージが存在します。それは、幸せではない現状、現状から幸せに向かうキッカケとなる出来事、そして幸せになっている未来です。

1.幸せの物語りには3つのステージがある

幸せになるための物語は、私たちが抱える現状から幸せに向かう過程を表現しています。最初のステージは、幸せではない現状です。この段階では、主人公は悩みや苦しみに直面しており、幸せからはほど遠い状況にあります。

次のステージは、現状から幸せに向かうキッカケとなる出来事です。この出来事は、主人公に大きな影響を与え、彼らの視点や価値観を変えることがあります。このキッカケは、物語の転機となり、主人公が幸せを求める旅に出るきっかけとなります。

最後のステージは、主人公が幸せになっている未来です。この未来は、主人公がキッカケを乗り越え、自分自身の夢や目標を達成している状態を表しています。このステージでは、読者は主人公の成功や幸せを共感し、感動することができます。

2.現状から何かがキッカケで幸せになる

物語の中のキッカケは、現状から幸せに向かうための重要な要素です。このキッカケは、主人公に新たな希望や目標を与え、彼らを進化させる役割を果たします。例えば、映画やドラマの物語では、主人公が出会う特別な人物や予期せぬ出来事がキッカケとなり、彼らの人生が変わることがよくあります。

また、私たちの日常生活でも、何かがキッカケで幸せになることがあります。それは、新たな挑戦をすること、自分自身を成長させるための努力、または人との関係を築くことなどが挙げられます。キッカケは、私たちが幸せを見つけるために必要な一歩と言えるでしょう。

3.そのキッカケが、あなたが望む幸せに向かう鍵になる

物語の中のキッカケは、物語の進行や主人公の成長の鍵となります。同様に、私たちの人生の中でも、キッカケは幸せを追求するための重要な要素です。キッカケがなければ、私たちは快適な現状にとどまり、成長や変化を経験することはありません。

キッカケは、私たちに新たな視点やチャンスを与え、自分自身の可能性を広げることができます。それは私たちが固定観念や制限を超え、新しい世界や幸せを見つけるための手段です。

つまり、私たちの物語は、自分自身を変え、幸せを求めて進む旅の一部です。物語のキッカケは、私たちが幸せになるための鍵であり、私たちの日常生活でのキッカケも同じです。新たな挑戦や出会い、自己成長への努力は、私たちが望む幸せに向かう大切なステップです。

印象に残る言葉を選択する

物語から無意識のメッセージを引き出すには、特に印象に残る言葉を選ぶことが重要です。物語の中で特に心に響く言葉や文句を見つけ、それを自分自身に対するメッセージとして受け取ることができます。

特に重要なのは、キッカケとなったステージに含まれる言葉です。

例えば、物語の中で現状から幸せになるキッカケの中の「自己を信じることが大切だ」という言葉が印象に残り、自分の内なる声として響くのであれば、それはあなたに対する、「自分を信じることが大切」「今、進めていることが正解だ」というような無意識のメッセージかもしれません。

そのメッセージを受け入れ、自己探求や成長のために活かしてみましょう。

選択した言葉の中に込められた深層のメッセージを探求する

どうように、選択した言葉に込められた深層のメッセージを探求することは、物語から無意識のメッセージを引き出すための重要なステップです。選んだ言葉をじっくりと考え、その意味や背後にある感情を探求してみましょう。

例えば、選んだ言葉が「失敗から学ぶことができる」という意味を持っているとします。この言葉には、自己成長や挫折からの学び、それによって得られる価値が込められているかもしれません。このメッセージを受け入れ、自分自身の過去の失敗や困難から学ぶことができるよう努力してみましょう。

物語から無意識のメッセージを見つけることは、私たちの内なる世界を探求する上で貴重な経験です。物語は私たちに新たな視点や気付きをもたらし、成長や自己理解の道を開いてくれるかもしれません。物語の力を通じて、私たち自身の内なる声に耳を傾け、自己探求の旅を進めていきましょう。

成功者は無意識を活用している

「分かっていても行動しない」ことは、誰にとってもおなじみの経験かもしれません。ハーバード大学のロバート・キーガン教授が実施した研究によれば、実に85%の人がこのような行動のギャップに悩んでいるとされています。

この現象の背後には、私たちの無意識が大きな影響を与えていると言われています。意識と無意識の間で葛藤が生じ、行動が実現しない理由が存在しているのです。

本記事では、無意識のメッセージを理解することがなぜ重要なのか、そして無意識の活用を通じてどのように成果を引き出すことができるのかについて考察していきます。無意識の力を活かし、自己成長や目標達成に役立てる方法について一緒に探っていきましょう。

人の意識的行動と無意識的行動の割合

私たちの行動は、意識的なものと無意識的なものがあります。意識的な行動とは、意図的に動くことや計画的に行動することを指します。一方、無意識的な行動とは、自動的に行われる行動や習慣的な行動を指します。

ようするに、何も考えることなく自然と動いているようなときは無意識的に行動していることになります。

興味深いことに、私たちの行動の約95%は無意識的なものであり、わずか5%しか意識的に行動していないと言われています。

この数字を聞くと、中には「そんなことは無い、私はいつもよく考えて行動している」と反論される方もいますが、日常的に、自転車に乗ったり、何か考え事をしながら歩いていて、気が付けば目的地についているようなことが起きています。

このことからもわかるように、無意識は私たちの行動に非常に大きな影響を与えていることがわかります。

そして、無意識の力で行動している時は、無理なく、しかも素早く行動できていると言えます。なにしろ、考える時間がない分、早い行動になります。

この無意識の力を活かすのは、行動だけではありません。冒頭に示したように、意識と無意識の葛藤によって、分かっていても行動しない事が起きている。意識よりも無意識の方が行動に与える影響が大きいと言えます。

私たちが、望むゴールに向かうには、無意識のメッセージを理解する必要があります。

無意識は否定語を理解しない

無意識は、複雑な言語の意味を理解しません。肯定的な言葉と否定的な言葉も区別がつかないという特徴があります。

例えば、自分に対して「怖くない」と言い聞かせるような場合は、無意識は「怖い」と理解すると考えてください。

人前で話すのが怖いと思っている人が、「怖くない」と言えばいうほど声がこわばり、緊張が高まってくるのは、「怖くない」と言うことが、無意識では「怖い」になり、体が硬直する現象です。

従って、無意識のことをふまえれば、「怖くない」ではなく、「出来る、大丈夫」といった肯定的な表現を使うことが大切です。

意識できない無意識のメッセージを理解する方法

無意識のメッセージを理解するためには、意識的なフィードバックや反省だけでは不十分です。無意識のメッセージは、夢や感情、直感などを通じて私たちに伝えられることが多いです。

例えば、特定の状況に対して、直感的に避けたり、選択したりすることがあるかもしれません。これは無意識が私たちに対して重要なメッセージを送っているサインです。私たちは、これらのメッセージに注意を払い、自己成長や目標達成に役立てることができます。

加えて、なにげなく出てきた言葉や行動の中にも、無意識のメッセージを見つけることが可能です。

例えば、大事な顧客との商談を成功させたいと考えていた時に、なにげなく、“昔の顧客の顔が浮かんできた”とします。

ここに無意識のメッセージがあるとしたら、どんなメッセージがあると思いますか?

その顔が、商談に失敗した顧客の顔であれば、もう一度リスクを洗い出せ!だとか、想定外のことへの対処を用意するだとかのメッセージかもしれません。

このように、意識しない言葉や行動そして五感で感じることなどの中に、無意識のメッセージが示されているとすると、日々、多くのメッセージを受け取ることが可能になります

無意識を活用するにはイメージを使う

無意識の力を活かすためには、イメージを使う方法が効果的です。無意識はイメージやビジュアルを理解しやすい特徴があります。そのため、自分が達成したい目標や夢を具体的なイメージとして思い描くことが重要です。

例えば、スポーツ選手は試合前に自分が成功したイメージを描き、それを無意識に受け入れることでパフォーマンスを高めます。私たちも同様に、自分の目標や夢をイメージ化し、無意識に浸透させることで、行動力や意欲を高めることができます。

優秀な営業の方に聞いた話ですが、顧客との商談の前に、最初の挨拶から終了までのストーリーをイメージし、商談に入ったら、それらはすべて忘れると言います。

まとめると、無意識の活用は私たちの行動や成果に大きな影響を与えることがわかります。

無意識のメッセージを理解し、否定的な言葉やイメージを避けることで、より効果的な行動が実現できるでしょう。また、意識できない無意識のメッセージにも注意を払い、自己成長や目標達成に役立てることができます。

無意識の力を活かすためには、イメージを使い、具体的なビジョンを思い描くことが重要です。自分の無意識の力を信じて、成果を引き出すことに挑戦しましょう。

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目的は同じでも、情報のチャンクが違えば対立する

人は情報を一つの塊、つまりチャンクとして処理する。例えば、「ミスコミュニケーションが起きている」という情報の場合も、ミスコミュニケーションの中味には様々な詳細な要素が入った、一つのチャンクになっています。

起きているという内容も、対立なのか、行き違いなのか、中味が色々あります。そして、このチャンクレベルの違いが、対立などのミスコミュニケーションを呼んだり、行動にぶれが生じたりすることがあります。

例えば、「ミスコミュニケーション」をテーマに話し合う場合に、ミスコミュニケーションをどんなチャンクで捉えるかで、行き違いや対立が起きることをお話ししたいと思います。

チャンクレベルには、一般化、具体化、横展開の3つがある

情報を処理する際に、チャンクレベルは非常に重要です。ミスコミュニケーションの場合、一般化、具体化、横展開の3つのチャンクレベルが存在します。

一般化は、情報を広く捉えることを意味します。例えば、「ミスコミュニケーションが起きている」という情報を一般化すると、「組織の課題」というようになります。このレベルでは、具体的な要素が欠けるため、話の内容が抽象的になりますが、広く全体像を押さえることができます。

具体化は、情報を詳細に分解し、具体的な要素を含ませることを意味します。ミスコミュニケーションの具体化の例としては、「Aさんがメールの内容を誤解したため、情報が伝わらなかった」といった具体的な要素を含めることです。このレベルでは、詳細な情報が分かりやすくなりますが、全体像が見えにくくなることがあります。

横展開は、情報をさらに広げて新たな似通った要素を含めることを意味します。ミスコミュニケーションの横展開の例としては、「Aさんが情報を誤解したことに加えて、Bさんが不明確な指示を出した」といったように、他の要素も関連付けて考えることです。このレベルでは、起きている事象の事例を把握することができますが、情報が複雑になりすぎてメッセージが伝わりにくくなることがあります。

話している意図が同じなのに、違うように見えてしまう

チャンクレベルの違いにより、話している意図が同じであっても、違うように受け取られることがあります。例えば、「ミスコミュニケーションが起きている」という情報は、チャンクレベルによって以下のように解釈が異なる可能性があります。

一般化の場合:組織の課題として、コミュニケーション全体に問題があると受け取られる可能性があります。この場合、話の展開としては、オフィスのレイアウト変更などに向くことも考えられます。

具体化の場合:特定の人や場面でのコミュニケーションの問題と受け取られる可能性があります。この場合の展開として、特定の人への教育や指導を考えるかもしれません。

横展開の場合:他の要素や要因も関連付けながら、問題となっている事例が多く出され、より複雑な問題として受け取られる可能性があります。

これらにより、もともとは、組織運営を円滑にしようという意図がずれることで対立が生じたり、誤解が生まれたりすることがあります。

情報を伝える際には、チャンクレベルを適切に意識することが重要です。

ミッションやビジョンは一般化して描く

ミッションやビジョンなどの大局的な考え方を伝える際には、一般化したチャンクを使用することが有効です。ミッションやビジョンは、具体的な詳細が求められるものではなく、大まかな方向性や価値観を伝えるものです。

一般化したチャンクレベルのメッセージは、人々が共感しやすく、理解しやすくなります。具体的な要素を含めると、メッセージが複雑になり、伝えたい意図が伝わりにくくなる可能性があります。適切なチャンクレベルを選択し、大局的な考え方を伝えることで、共通の目標を実現するために必要な方向性を示すことができます。

ただ、先ほどのミスコミュニケーションの事例のように、人には、一般化が得意な人、具体化が得意な人、横展開が得意な人がいます。

一般化が得意な人には直ぐに共感を呼ぶ、ビジョンであっても、具体化や横展開が得意な人には、ピントこないという場合も考えられます。

そこで、具体化が得意な人には、ビジョンが実現した時の具体的な事象を示すことも必要です。

横展開が得意な人には、幾つかの具体的な事象を示し、その人がイメージできるようにすることも必要だと思います。

行動計画は具体化が大切

一方、行動計画や具体的な指示を伝える際には、具体化したチャンクを使用することが重要です。行動計画は、具体的なステップや目標を示すものであり、具体的な要素が求められます。

具体化したチャンクレベルのメッセージは、行動に直結するため、人々が行動のイメージができ、実行しやすくなります。一般化したチャンクを使用すると、行動の具体的な内容や方法が不明確になり、実行にぶれが生じる可能性があります。

具体化したチャンクを適切に使用し、行動計画を明確に伝えることで、目標達成に向けた効果的な行動を促すことができます。

具体化と横展開の区別がつかないと行動が進まない

具体化と横展開は、チャンクレベルの中でも似ている部分があり、区別がつきにくいことがあります。具体化は、情報を詳細に分解し、具体的な要素を含めることを意味します。

一方、横展開は、情報をさらに広げて新たな要素を含めることを意味します。

具体化と横展開の違いを正しく理解しないと、具体化しているつもりで、行動の詳細が表現できず、似たような行動の列挙になってしまい行動計画や意思決定の際に混乱が生じる可能性があります。

横展開に関しても、選択肢を広げるつもりで横展開しようとしているのに、一つの行動を詳細に具体化しているだけで、選択肢が広がっていないことが起きます。

このように具体化したチャンクにより行動の具体的な内容や方法が明確になり、実行に向けたステップが進められます。一方、横展開は、新たな要素を加えることで選択肢を拡げ、行動にヌケ、モレを防ぎます。

まとめ

情報のチャンクを意識し、今、どのチャンクレベルの情報にフォーカスしているのか理解してコミュニケーションをすすめるだけで、生産性が大きく高まり、目標達成も進みます。

さらに加えて、組織の活性化にもつながります。難しい、スキルや知識を身につけることも大事ですが、ちょっとして理解と意識づけで人も組織も変化させることができます。

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