困難に立ち向かう時だけがリーダーではない      ~日々の何気ない判断・決断こそが大きな違いを生み出す~

判断の難しい場面での決断力が重要なのは誰でも分かっています。しかし、普段の何気ないリーダーの決断の良し悪しの積み重ねが、後日大きな変化につながることを、多くのリーダーは気づいていません。


そして、この普段の何気ない判断の良し悪しが、難しい問題を生むことに繋がっていることも多くのリーダーは気づいていないのかもしれません。


普段からの決断力・判断力を磨くことが実は大切であるということを意識していますか?
本記事では、決断力・判断力を磨くための具体的な方法やフレームワークを紹介します。難しくはありません。読者の皆さんは既に知っている内容がほとんどかもしれません。
しかし、その実践を日常的に実行しているかが重要なことだと考えます。

効果的な意思決定のためのフレームワーク

まず、効果的な意思決定をサポートするために役立つフレームワークをいくつかご紹介します。
1-1. 3C分析
3C分析は、ビジネスの現状を整理するために「顧客(Customer)」「競合(Competitor)」「自社(Company)」の3つの観点から状況を把握します。日常でも、これを応用することで効果的な判断が可能です。


実践例:
• 問題: 新しいプロジェクトの優先順位を決める。
• アプローチ: 顧客のニーズを調査(Customer)、競合の状況を確認(Competitor)、自社のリソースを評価(Company)。
• 結果: 顧客満足度が高く、競争力を強化するプロジェクトに注力。


この実践例の他にも、ビジネスの世界では、自分(自社)と顧客とライバル(競合)しかいないと考えれば、あらゆるビジネスシーンでこの3Cを使うことができます。

自分の事だけを考えて商談を進めて、顧客のことを忘れていたり、目の前にライバルの存在が見えないからと言って、ライバルの事を考えなかったりせずに、モレなくダブリなしで情報を分析することが可能になります。

1-2. SWOT分析
SWOT分析は、物事を「強み(Strength)」「弱み(Weakness)」「機会(Opportunity)」「脅威(Threat)」の4つの要素に分けて整理する手法です。


実践例:
• 問題: 部署の年間計画を立てる。
• アプローチ: 部署の強みと弱みをリスト化し、外部環境の機会と脅威を整理。
• 結果: 強みを活かしてチャンスを最大化し、弱みを補う計画を立案。


このSWOT分析も日常的に是非、使いたいフレームワークとして取り上げました。その背景には、世の中のどんなことにも、裏と表があります。ヨコがあればタテがあります。


つまり、強みがあれば、必ず弱みがあるということです。機会があれば必ず脅威もあるということです。もちろん、この逆もあります。


ところが、普段の何気ない決断や判断では、これらのどれかが抜け落ちてしまっていることがあります。強みと弱み、機会と脅威をセットで情報を捉える習慣を持っても良いのではいでしょうか

1-3. 重要度と緊急度のマトリックス(Eisenhower Matrix)
重要度と緊急度のマトリックスは、タスクを「重要度」と「緊急度」の2軸で分類し、優先順位を明確にする手法です。


実践例:
• 問題: 日々の業務が多忙で、どれに集中すべきか分からない。
• アプローチ: タスクを「重要かつ緊急」「重要だが緊急でない」「緊急だが重要でない」「緊急でも重要でもない」に分類。
• 結果: 「重要かつ緊急」なタスクを最優先で取り組み、重要だが緊急でないタスクの計画を立てる。


多くの人は、目の前の事を最重要に捉えてしまいます。これは本能的なものです。それゆえに、ほっとくと目の前のことを重要で直ぐに対応すべきこととして捉え、日々忙しく働くことになります。


しかし、本当に、目の前のことが重要かつ緊急度の高いことなのでしょうか?それは、このマトリックスで整理しなければ分かりません。


そして、最も重要なのは、あなたが望むゴールの達成にあると思います。そのゴールの達成に向けての、重要度と緊急度のマトリックスのなかで、活動の優先順位をつけていくことが、大切であるように考えます。

1-4. PDCAサイクル(Plan, Do, Check, Act)
PDCAサイクルは、継続的な改善を促すフレームワークとして知られています。一度の決断で完璧を目指すのではなく、改善を前提にした行動がポイントです。


実践例:
• 問題: チームのミーティング効率を向上させる。
• アプローチ: ミーティング時間を短縮するプランを作成(Plan)、試行実施(Do)、参加者からフィードバックを収集(Check)、次回に反映(Act)。
• 結果: 効果的でスムーズなミーティング運営を実現。


変化の激しい現代において、完璧を求めることは不可能であると思います。また多様性の時代においても、様々な判断が考えられます。


そんな時代であるからこそ、行動が重要になります。行動を通して、最善の道を見つけるアプローチの基本的な姿勢が、PDCAの考え方にあります。


そもそも完璧な計画や行動は無い。望む結果が出たとしても、それが継続するとは限らないとして、日々改善する姿勢が今の時代は求められます。


世のなかに失敗は無い、全てが途中経過である。すべてはテストだという姿勢がPDCAにはあると思います。

判断力を養うためのトレーニング方法

判断力は生まれ持った才能だけでなく、これまで紹介したフレームワークを使いながらのトレーニングによって鍛えることができます。
以下には、フレームワークを使うことを前提としたトレーニング方法を示したいと思います。


2-1. シナリオ分析
想定されるリスクやチャンスを事前に分析する練習を行いましょう。例えば、重要なプロジェクトに対して「最悪のシナリオ」と「ベストなシナリオ」を書き出し、それに基づいて意思決定を進めます。


SWOT分析の項でも触れましたが、全ての事には、良いケースがあれば、悪いケースもあります。そして、未来に起きることは、分からないのが真実です。完璧な想定は不可能ですが、あらかじめシナリオ描くことを練習することは、反応的で衝動的な判断・決断からゴールに向かって進むことを可能にする行動を導いてくれます。


2-2. ロールプレイング
チームメンバーとともにロールプレイングを実施することで、多角的な視点からの意思決定を体験できます。


実践例:
• 想定課題: クレーム処理の方法。
• アプローチ: メンバーが顧客役、リーダー役に分かれて対応方法を議論。
• 結果: 顧客満足度向上のための具体策が浮き彫りに。

シナリオ分析と同時に、ロールプレイングをすることで、起きうることをリアルに描き出す効果があります。


2-3. リフレクション(内省)
過去の判断を振り返り、どこが良かったか、どこを改善できたかを分析する習慣をつけます。成功事例だけでなく、失敗事例も学びの材料になります。


要は、PDCAを習慣化することで、当たり前のように自然に振り返ることが可能になります。その中で、日誌は日々の行動を振り返る効果的なツールと言えます。

判断力を高めるリーダーの習慣

3-1. 情報収集力を鍛える
常に新しい情報を取り入れることは、適切な判断を下す基盤となります。業界関連の読書やポッドキャスト、セミナーへの参加を習慣化しましょう。


3-2. 異なる意見に触れる
賛同ばかりの意見では視野が狭くなりがちです。意見が対立する場面こそ、自分の視点を広げるチャンスと捉えましょう。


3-3. 短時間で情報を整理する練習
「10分メモ法」を活用して、情報を簡潔に整理し、速やかに結論を出すスキルを磨きます。

結論

今回紹介したフレームワークやトレーニングは、難しい判断や問題解決のためだけでなく、普段の何気ない判断力や決断力を養うために活用することができます。その積み重ねが、組織全体の成長を促し、大きな成功へとつながるのです。


日々の小さな選択を大切にし、その一つひとつを成長の機会として捉えてください。あなた自身の判断力が磨かれることで、組織全体がより強固な基盤を持つようになります。


明日からできる3つのアクションプラン:

  1. 意思決定フレームワークを一つ選び、日常の小さな課題で試してみる。
  2. チームで日常的な判断を振り返るミーティングを設ける。
  3. 過去の些細な判断を振り返り、その積み重ねがどのような結果をもたらしたかを考える。
    日常にこそ成長の鍵があります。今日から一歩踏み出してみませんか?あなたの決断力が、未来の大きな変化を生み出します。

読書はAI時代に必須の習慣です

最近、本を読まない人が増えているように思います。若者だけでなく、若年層から高齢者に至る、全ての年代で広がっているようです。


それも仕方がないことなんかもしれません。本の少し前までは、活字から得る情がほとんどで、それをテレビやラジオが補っているという時代がありました。昭和の時代ですね。


ところが、今、インターネットやスマートフォンの普及により私たちは日々、圧倒的な量の情報に触れています。そんな状況では、すぐ手に入る本以外のところから情報を得るのは自然なのかもしれません。


しかし、読書は他のメディアとは異なる特別な効用を持っています。特に、創造力や思考力を養うために読書は非常に有効な手段であると言えるでしょう。今回の記事では、読書の持つ効用について考察し、具体的な事例を交えてその価値を深掘りします。

文字から自由なイメージを生み出す力

読書の最大の特徴は、文字を通じて読者が自由にイメージを膨らませられる点です。文章に描かれる風景や人物、出来事は、読む人の心の中で形を作り、独自の世界を構築します。

これに対して映像メディアは、具体的で膨大な情報を視覚的に与えるため、視聴者がそのまま受け取ることが多く、創造の余地が限定されがちです。


例えば、ハリー・ポッターシリーズを読んだ読者は、それぞれ異なるホグワーツのイメージを持っているかもしれません。魔法の学校や登場人物の容姿、雰囲気は、読者一人ひとりが自身の経験や感性を基にして形作るためです。

一方で映画版を観ると、視覚的に与えられる情報が強力である分、その余地は減少します。このように、読書は読者の想像力を刺激し、言葉の背景にある情景や感情を自ら作り上げる訓練を与えてくれます。

行間を読む力

文章は単なる文字の羅列ではなく、行間に隠された意図や感情を含んでいます。読書を通じて私たちは、書かれていない部分に想像を巡らせる力を養うことができます。

この力は単に物語を楽しむだけでなく、日常生活や仕事の中で、相手の真意を読み取るスキルにもつながります。


たとえば、推理小説を読む際には、登場人物の会話や行動の裏に隠された動機を考えたり、伏線を見抜いたりする必要があります。

アガサ・クリスティの作品に触れると、あえて曖昧にされた表現や小さなディテールから真相を見抜くという知的な挑戦が楽しめます。

このような体験は、文章を深く読み解く能力だけでなく、他者の言葉や行動を理解する洞察力をも育てるのです。

読書と共感力

さらに、読書は他者の視点に立つ力を育むのにも役立ちます。例えば、戦争体験記や異文化についてのエッセイを読むことで、異なる時代や社会の価値観を体験できます。

アンネ・フランクの『アンネの日記』は、ナチス占領下でのユダヤ人少女の視点から、戦争の恐怖と希望の力を伝えています。このような本を読むことで、直接体験することが難しい状況に対しても共感を持つことができるのです。

AI時代における読書の価値

現代はAIが多くの分野で活躍し、私たちの生活を支えています。しかし、AIは基本的に与えられたデータを処理する能力に特化しており、人間のような創造力や感性を持つわけではありません。

これからの時代、AIには代替できない人間の能力として、思考力、想像力、そして創造力がますます重要になります。


たとえば、AIは膨大なデータを分析して最適解を提示することは得意ですが、ゼロから物語を創作したり、行間を読んで感情的なニュアンスを理解することは苦手です。

読書はこうしたAIには真似できない能力を伸ばすための最適な手段です。創造力を鍛えるだけでなく、AI時代において差別化を図るための重要なスキルを身につけることができます。

このように読書から自分自身を高めてきたのは、歴史上の偉人からAI時代の真っただ中の現在まで多くの成功者が名を連ねています。

たとえば、アメリカのリンカーン大統領は独学で法律を学びましたが、その基盤には膨大な読書がありました。彼は本を通じて知識を得ただけでなく、論理的思考力や他者を説得する力を磨きました。


また、現代のビジネスリーダーの中にも、読書を習慣としている人が少なくありません。マイクロソフトの創業者ビル・ゲイツは、年間50冊以上の本を読み、それを自身のブログで紹介しています。彼は読書を通じて新しい視点を得ることで、革新的なアイデアを生み出してきました。

結論

読書は単なる情報の取得手段ではなく、人間の本質的な能力を鍛えるツールです。自由なイメージを描く力、行間を読む力、そして他者への共感力を通じて、私たちの思考力や創造力を深めてくれます。

また、歴史上の偉人や現代の成功者たちの事例からもわかるように、読書は自己を成長させるための強力な手段です。

AI時代だからこそ、読書を通じて自分自身を磨き、他にはない価値を発揮することが重要です。一冊の本を手に取ることが、あなたの未来を豊かにする第一歩になると考えます。

今日は、昨日の自分を超える

皆さんは、ワクワクするような目標を設定し、「今回は、必ずこの目標を達成するぞ!」と思いながら、いつの間にか、その目標を忘れてしまっているということがありませんか?

または、達成に向けて行動を開始したのは良いですが、思うような結果が出せず、挫折することもあると思います。

このようなことはどうして起こるのでしょうか?

その原因の一つは、「目標に囚われてしまった事」にあります。例えば、減量を目指してダイエットを始めた人が、体重計の数字が思うように減らない事で、諦めてしまうようなことはありませんか。

ビジネスで例えるのなら、年初かかげた、高い営業目標に向かって進み始めても、思うようには数字が伸びてこないと、この市場環境では無理なんだと、言い訳を交えて、諦めてしまう。

では、どうすればこのような挫折を避け、目標を達成できるのか?その答えは、「今日は、昨日の自分を超える」という考え方にあります。

今日は、昨日の自分を超えるとは?

「今日は、昨日の自分を超える」という目標設定は、シンプルでありながら強力なアプローチです。 これは、大きな目標に向かって一歩前進するための方法です。 日々、自分と自分自身を見据えて、昨日の自分よりとりあえずでも前進することを目指します。

昨日は、営業の為の顧客のアポイントを、リストをもとにひたすら電話をかけまくった。でも今日は、電話をかけた相手に、警戒心を持たせないように工夫した。というように、日々の行動に意識を向ける。

この方法の利点は、結果に対するプレッシャーから解放されることです。私たちは、自分自身と比べて、自分にしかコントロールできない目標を設定することができます。

目に見えなくても、昨日より今日、少しでも成長している自分を認識することができるため、モチベーションも維持しやすくなります。

目標よりも行動に焦点を当てる

多くの人が大きな目標を立て、それを達成することを夢見ます。 新しいスキルを習得する、昇進する、体重を減らすなど、目標自体はとてもポジティブなものです。

しかし、目標が高く、直ぐに成果が望めないような場合には、日々の行動をむなしく思えてくることもあります。

そうではなく、「自分を超える」という目標を掲げて、日々の行動に意識を向けることができるようになることで、目標に向かう途中のプロセスを楽しむことができるようになります。

成功への近道:「目標を忘れ、行動に集中する」

「昨日の自分を超える」ことを目標にするという考え方は、一見遠回りに感じられるかもしれません。 しかし、実際にはこれが成功への最も近い道となります。

その理由は、当たり前の話ですが、行動しなければ目標は達成できません。しかも、目標が達成できる行動でなければ、目標は達成できません。

結果だけに囚われ、結果を出す行動が出来ているか、出来ていないかに意識が向かず、行動から生み出される結果に意識が向き、行動の改善ができない。

日々の行動を変えていくことに集中することで、目標に縛られすぎず、柔軟に対応する力を育むことができます。

例えば、ビジネス面でも同じことが言えます。 大きな収益目標を立てたとしても、日々の営業活動や顧客対応に力を入れることが結果を生む鍵です。

もし目標達成にこだわりすぎると、数字に一喜一憂するだけで、いわゆるPDCAがおろそかになる。

しかし、「昨日の自分を上回る」ことに集中すれば、常に小さな改善を繰り返しながら、結果的に大きな成功を手にできることができます。

終わり

成功への道のりは決して平たんな道のりではありません。目標を設定して、それに向かって前進する中で、思い通りにいかないことも多々あるでしょう。

でも、思い通りにいかないことを、ほんの少し改善させる行動そのものを楽しむことで、日々の充実感とともに、確実に前進することができます。

大きな目標を目指しながらも、今日の自分が昨日の自分よりも少しだけ成長しているかどうかを見つめながら進む。その積み重ねこそが、戦略設定した目標を超えるような成果をもたらします。

目標を忘れるわけではなく、それに縛られない自由な心で、日々の行動を大切にすることが成功への近道となるのです。

この方法を実践することで、あなたもきっと目標を超える成果を手に入れることができるでしょう。 そして、その時には、目標を達成する喜び以上に、自分自身が成長したことへの達成感を感じる、それこそが、人生における真の成功と言えると思います。

リーダーの期待が人材を潰してしまう

新たなチャレンジとして未経験のプロジェクトを担当させる際に、成長を期待しているにもかかわらず、その人材をダメにしてしまうという「悲劇的」な状況が発生することがあります。

これは、思い通りの成果が得られず、自信を失い、行動が委縮するという悪循環に陥るためです。その結果、プロジェクトだけでなく、他の業務にも影響し、全体のパフォーマンスが低下してしまうことがあります。このような事態を避けるためには、適切なサポートやプロセスが必要です。

なぜこのようなことが起こるのか?

未経験のプロジェクトは、通常よりも大きなプレッシャーを伴い、失敗のリスクも高くなります。この際、次のような原因が考えられます。

  1. 自信の喪失: 期待に応えられず、結果が出ないことで自己評価が低下し、徐々に自信を喪失します。この状態が長く続くと、行動が委縮し、新たなチャレンジに対する恐怖感が増してしまいます​
  2. 悪循環の発生: 自信を失った状態での行動は、さらに悪い結果を招くことが多く、それがまた自信を削ぎ、悪循環に陥ります​。
  3. サポートの不足: プロジェクトの進行において、適切なフィードバックやサポートが欠けると、人材は自分自身の力で解決しようとしますが、うまくいかない場合、孤立感やストレスが増加します​​

この問題を避ける方法

  1. スモールステップの導入: 大きなプロジェクトではなく、段階的に成長できるタスクや目標を設定することで、成功体験を積み重ねていくことが重要です。小さな成功体験が自信を回復させ、次の挑戦に向けたモチベーションとなります​。
  2. サポート体制の確立: 定期的なフィードバックを提供し、適切な指導者やメンターを配置することが、孤立感を減少させます。特に、外部環境の変化や困難に直面した際には、冷静なアドバイスが欠かせません​。
  3. リーダーシップの発揮: チャレンジの過程で、失敗を学びとする文化をリーダーが率先して育むことが大切です。失敗を恐れるのではなく、そこから得られる教訓を次のステップに活かすことを強調する姿勢が、チーム全体のパフォーマンスを向上させます​。
  4. 現実的な目標設定: ビジョンや目標は、ワクワクするものであっても、現実的でなければなりません。適切な行動計画を立て、その計画を継続的に見直しながら進めることで、成功率を高めます​。
  5. 適切なリスク管理: 失敗のリスクが大きいプロジェクトでは、適切なリスク評価とそれに基づく計画が不可欠です。リスクを事前に想定し、それに対処する準備を怠らないようにします​​。

これらの対策を組み合わせることで、未経験のプロジェクトでも成功体験を積み重ね、人材を成長させることが可能です。成功への鍵は、適切なサポートと現実的な目標設定、そして失敗を許容する健全な文化の構築にあります。

まとめ

このようなことは、転職のタイミングでも起こります。特に、マネジメント層や実務経験を期待されて転職した場合に起こりがちです。

同じ仕事であっても、組織が変わればその場のやり方や、評価の考え方も変わってきます。もちろん、組織文化も違い、それに慣れず、期待された成果が出せない事は、当然起こります。そうして、優秀な人材が潰れていく。

リーダーは、人材を育てるという意識を持つことと同時に、新しいプロジェクト(仕事)、新しい組織文化が、その人材に与える影響を十分に考えて、サポートすることが求められます。なぜならば、人材を潰すのではなく、人材を育てたいからです。

リーダーの皆さんへ、「知識のマネジメント」出来ていますか?

AIの時代は「人の時代」と言われています。私も記事でこのことは書いてきました。

ところが、分かった気になって、実のところ「人の時代」と言われても、よく分からないというのが本当のところではないでしょうか。

この、分かった気になっていて、よく分かっていないのは、これまでもずっと続いていたように思います。

「知識の時代」「ナレッジマネジメント」です。ここが分かっていないと、AIの時代は「人の時代」の意味や意義は分からないと思います。

そこで、今回の記事では、「知識の時代」の本質はどこにあるのかを考えてみました。

「知識の時代」の本質とは:30年後のドラッカーの洞察を再考する

ピーター・ドラッカーが1980年代に「資本主義の終焉と知識の時代の到来」を予見したことは、今なお多くの人々にとって十分に理解されていません。

彼が唱えた「知識労働者」の重要性と、その時代の変化がどのように私たちの生活や仕事に影響を与えるか、改めて考えることが必要です。

そこでまずは、ドラッカーが示唆した変革の本質を再検討し、特にリーダーシップと企業運営における「知識のマネジメント」の重要性に焦点を当て、現在でも残るマネジメントの失敗要因に着目します。

資本主義の終焉と知識の時代の到来

ドラッカーは、伝統的な資本主義がもはや経済の中心ではなく、「知識」こそが新たな資本となる時代の到来を強調しました。

しかし、多くの企業や経営者が、この知識の時代への移行を十分に理解していないのが現状です。物質的な資源や製品が経済の中心だった時代から、知識が中心となる時代へと移行しているにもかかわらず、いまだに多くの組織が旧来の「労働力中心」のマネジメント手法に囚われています。

今日、すべての職業において「知識」を活用することが求められています。農業や製造業といった従来の肉体労働中心の業種でさえ、データを活用した生産効率の最適化や市場予測を行うことが成功の鍵となっています。

知識は、もはや専門職に限られたものではなく、すべての労働者が、求められるスキルとなっているのです​。

マネジメントの失敗:社員を「物的労働者」として捉える問題

知識の時代に移行した今でも、いまだに多くのマネジメントが失敗している要因のひとつは、社員を「物的労働者」として捉え、彼らに考える機会を与えず、指示命令に基づく管理手法を続けていることです。

このようなマネジメントスタイルでは、社員が持つ創造的な能力や知識を十分に引き出せず、むしろそれを抑え込んでしまうことになります。

全ての人は考える能力を持っており、経験を通じて学び、知識を蓄え、それをノウハウに変える力を持っています。しかし、従来型の指示命令型のマネジメントは、こうした社員の能力を奪い、彼らをただの「機械の一部」として扱ってしまうことがあります。この結果、社員は受動的になり、自ら考える力や意欲を失いがちです。

知識の時代においては、社員の能力を最大限に引き出し、彼らが自ら考え、学び、成長することをサポートするマネジメントが不可欠です。つまり、リーダーは社員に命令するだけでなく、彼らが自らの知識を活用し、意思決定に参加できる環境を提供することが求められます​。

すべての職業に求められる知識の活用

現代のすべての職業において、知識の活用が不可欠です。農業や工場労働においても、単純作業だけでなく、データ分析や効率的な作業方法を考える力が重要視されています。このような変化は、従来の「労働力」から「知識労働」への移行を象徴しています。

しかし、多くの企業は依然として、マネジメント層が意思決定を行い、現場の社員には指示を出すという旧来のトップダウン型の管理手法を続けています。

このようなアプローチは、社員が持つ知識や経験を十分に活かせず、組織全体の生産性を低下させる要因となっています。

今後、企業が成長するためには、社員が持つ知識を組織全体で共有し、迅速な意思決定を行うことが必要です​。

リーダーの仕事は「知識のマネジメント」

この時代におけるリーダーシップの本質は、人の管理ではなく、知識のマネジメントにあります。リーダーは、社員が持つ知識を最大限に引き出し、それを組織全体で活用できるようにする役割を担うべきです。

従来のようなトップダウンの指示命令ではなく、社員の知識を集約し、意思決定に反映させることが、今後のリーダーに求められる重要なスキルとなります。

社員を「物的な労働者」としてではなく、「知識を創出する存在」として捉えることが、リーダーの役割です。リーダーは社員一人ひとりの知識や経験を尊重し、それを組織の成長に活かす方法を見つけるべきです。

このようなアプローチにより、社員は自らの力を発揮し、組織全体が知識を基盤にした強力な競争力を持つことが可能になります​​。

AI時代における知識の創出とマネジメント

AI時代に突入した現代では、人間の知識の価値はますます高まっています。AIは膨大なデータを処理し、分析を行うことができますが、そこから価値を生み出すには人間の洞察力や創造力が必要です。

AIの進化により、単純作業は自動化されますが、創造的な問題解決や高度な意思決定は依然として人間の知識に依存しています。

このため、リーダーはAIを導入するだけでなく、社員の知識をさらに深め、その知識をいかにAIと連携させて活用するかを考えなければなりません。

社員一人ひとりの知識を無視することなく、彼らの能力を最大限に引き出すマネジメントこそが、AI時代においても企業を成長させるための鍵となるのです​。

結論:人を中心とした時代の到来

ドラッカーが提唱した「知識の時代」は、まさに今、AI技術の進化とともに現実のものとなっています。

企業の成功は、いかに知識を創出し、それをマネジメントできるかにかかっています。しかし、依然として旧来の管理手法に囚われたマネジメントは、社員を「物的労働者」として扱い、彼らの知識や創造力を抑圧しています。

リーダーは、社員を「知識労働者」として尊重し、彼らが持つ知識を最大限に活かせる環境を整えるべきです。このように、物理的な資源ではなく、知識という無形資産をどれだけ効果的に活用できるかが、これからの企業の競争優位を決定づけるのです。

知識の時代におけるリーダーの責任は、社員の知識を集約し、組織全体の成長に結びつけることにあります​​。

じっくり考え、すばやく行動「BIG THINGS」

今回は、皆さんにビジネス書「BIG THINGS」を紹介したいと思います。著者はオックスフォード大学第一BT教授であり学科長である、ベント・フリウビヤ教授です。

BTというのは、Bayesian Thinking(ベイズ思考)の略で、確率論の一つであるベイズ統計学のことです。

つまり、著者は、このベイズ統計学をもとに様々なビッグプロジェクトを数字によって定量的に分析し、プロジェクトが陥る失敗の理由を示しています。もちろん、失敗の理由だけでなく、成功するための方法も示しています。

今回、この本を取り上げたのは、ビッグプロジェクトの失敗要因を知ることではなく、大小様々なプロジェクトに我々は日々、取り組んでいると思います。

営業活動に、開発そして採用プロセスなども一つのプロジェクトだと捉えると、日々の業務がそもそもプロジェクトだと考えられます。

この本から、我々が目標に向かって進み、成果を確実なものにする為の、メッセージを掴み取ることができます。

行動計画が曖昧では、行動も曖昧

この本の重要なメッセージは、ビジョンや目標がどれだけ、ワクワクし心を躍らせても、行動が伴わなければ、失敗する。

この本の中では、オリンピックや万博そして大規模なトンネル工事など、社会的に意義があり、やりがいのあるプロジェクトを分析していますが、その結果はことごとく失敗です。

失敗の定義は、大幅な計画延長とそれに伴う大幅な予算超過、そして最悪はプロジェクトの中止です。

我々のような小さな企業においては、大幅な計画延長や予算超過などは不可能な話なので、プロジェクトの中止又は、うやむやになり、いつのまにかビジョンが忘れ去られることになります。

そして、その失敗の要因は、行動計画が不適切だという事です。国の威信をかけた国家プロジェクトにおいて、どうして行動計画が不適切になるのか、不思議ですが、それを当事者は何度も繰り返しているということです。

大きな国家プロジェクトだけではありません。日常の我々の、目標やビジョンに向けた行動も多くが失敗に終わり、その失敗を何度も繰り返します。

なぜ、行動計画が適切に設計できないのでしょうか?そして、なぜ同じ失敗を繰り返すのでしょうか?

これは、どうも人の能力ではなく、本能と言っても良い特長にあるようです。そのプロジェクトの目的、何のためにそれを実施するということが、プロジェクトの実施が決定された瞬間にどこかに消えてしまい、プロジェクトそのものが目的になってしまう。

本来の目的ではなく、行動が目的化されている

目的ではなく、プロジェクトの実行が目的化されてしまうことで、多くのブレが表出してきます。

その一つが、「まず実行在りき」です。様々なリスクの想定やその解決の為のシミュレーションなどの準備が、

「先んじれば人を制す」「チャンスを逃がすな」「やってみなければ分からん」などといった、言い訳と共に、置き去りになる。当然です、行動が目的なのですから。

そして二つ目が、プライドです。国の威信をかけている。自社の存在を知らしめる。自分の力を試すチャンスだ!などという感情と共に、経験豊富な専門家に頼ることを拒絶する。

世界で誰もやったことが無いプロジェクトだから専門家などいないということもあると思います。例えば宇宙開発などはその例かもしれないです。

しかし、そのプロジェクトのプロセスを細分化すれば、専門家は現れてきます。目的を見失わず、メンバーの行動を一致させるリーダーシップの専門家もいれば、宇宙開発であれば、ロケット工学の専門家、部品の専門家など多数存在します。

専門家の存在を知っていながらも、自国の企業を育てる。自社の人材を育てる。自分の力を伸ばすという言い訳も、行動が目的化されているから出てくることだと思います。

これら2つに、3つ目の「楽観主義」が加わります。「やれば、なんとかなる」と言わんばかりに、プロジェクトが成功することだけを考えて行動する。

プロジェクトメンバーの中には、リスクを示すメンバーもいるかもしれませんが、リーダーが筆頭に、そのリスクを否定、または無視する。

そもそも、成功するための行動が曖昧な状況では、成果がでるのは奇跡でしかない、そして偶然起きる、この奇跡的な成果が、成功事例として、これまでの3つの失敗の理由を推し進めることになる。

成功に導く3つの原則

これら3つの失敗理由をふまえて、プロジェクトを成功に導く為に重要なことは、次の3つです。

  1. 目的からの検証
  2. 専門家をパートナーにする
  3. リスクの想定と解決策

目的からの検証

行動が目的化するのは、人の能力の問題ではなく、本能の問題です。だとすれば、仕組みとして、目的を忘れず、目的から行動を検証することが必要になります。

プロジェクトの進捗を見る時には、必ず「目的」から検証することを日常にすることが必要かと思います。

専門家をパートナーにする

ここでも、目的が専門家の選定に重要です。オリンピックなどの国家プロジェクトの場合も目的が必ずあります。開催が目的ではないはずです。ならば、他にはないスタジアムが必要なのか?他にはない運営方法が必要なのか?などを目的から検証することからはじまります。

目的からはじまり、何が必要なのか、どんな活動が必要なのかを想定した後に、専門家の養成に入ります。

プロジェクトの内容によっては、目的の選定から専門家の参加を求めることも考えられます。しかし、専門家がいない、見つからないという場合もあると思います。その場合は、行動を進めながら、専門家の選定を同時進行で進めることが必要です。

リスクの想定と解決策

リスクを想定し、その解決策を持って行動することで、行動の内容と質のレベルを高める事にもつながります。起きうるリスクが分かっているのですから、それが起きないように行動できるので、内容も質もあがります。

そして、想定しなかったリスクが起きた場合の対応策も設定していくと、想定外のことが起きても、動揺せず、冷静に次の対策を考えられる状態をつくれます。

さらに加えて、思うように行動が進まない時や、想定外のことが起きた時の感情のマネジメントもリスク対策に入れておくとより安定した行動がとれるとうに思います。

まとめ

これまで、BIG THINGSという本の解釈をもとに、ビジョンや目標達成に向けたプロジェクトの失敗の原因から、成功に導く方法を考えてきました。

理念経営やビジョン経営が上手くいかない事例が多く、理念やビジョンが絵に描いた餅になっていることを数多く見受けます。

目標が大きければ大きいほど、これも絵に描いた餅になっていることも多くみます。これらは、みな行動計画が曖昧になっているように思います。

目標達成の為の行動が分からないという事もあると思いますが、この場合も、「分からない」ことを自覚して、現状の行動を進めながら、成果を生む行動を、専門家などの他者の力を借りながら見つけることが大切だと思います。

皆さん、是非この機会に、今の行動の検証をしてみてはいかがでしょうか!

答えのない難問にどう立ち向かう!

「答えがない難問と困難に、きみはどう立ち向かうか」

ベン・ホロウィッツ著 HARD THINGSの紹介と解釈を独断と偏見で書きたいと思います。

この本は、ベン・ホロウィッツ氏が、ITベンチャーを創業し、幾多の困難に立ち向かいながら最終的にはヒューレット・パッカード(HP)に16億ドルで売却することができた、いわゆるヒーローズジャーニーの物語です。

「そうか、おきまりの成功者の物語か」と、簡単に片づけられない物語がここにはあります。本人が体験したからこそ語れる心情、行動そして葛藤が描かれています。

そもそもベンチャー企業を立ち上げる為には、創業者のアイディアはもちろん、それに賛同する投資家が存在します。

つまり、創業者だけではなく、賛同する優秀な社員、投資家の全員が、大成功を確信するからスタートできます。

ベン・ホロウィッツ氏が創業した、ラウドクラウド社も他社に無い、ユニークな製品、サービスを市場に投入し、意気揚々とスタートしました。

ところが、創業まもなく、ITバブルの崩壊そして9.11のテロがシリコンバレーのIT市場を一気に不況へと落とし込みました。

当然、ラウドクラウド社も巻き込まれ、倒産の危機に追い込まれます。自分が招いたわけでもない、どうしようもない外部環境の変化に巻き込まれ、危機に追い込まれることはあると思いますが、この時に経営者、リーダーはこの困難にどう立ち向かうがその先の未来を決めていくと思います。

この答えがない難問と困難にどう立ち向かうかのメッセージがこの本の中にはあります。

まず一つ目は、「クソを食らわば一口で」です。

悪い情報はいずれは知られるので、一気にすべてを知らせる。ここで情報を小出しにするメリットよりも、デメリットの方が大きいということです。

まして、隠すこともできません。隠せば、現実が遠くに去っていくことは決してありません。

冷静に考えれば、当たり前なことのように思いますが、なかなかできないことかもしれません。しかし、ここに成功要因の一つがあると思います。

この当たり前を実行するために要素が二つ目のメッセージです。

1人で抱え込まない、誰かに相談することがあげられます。相談するということは、もちろん経営者、リーダーが気づかない対策のアイディアもありますが、

一番大切なことは、経営者、リーダーが冷静に客観的になることです。先ほどの悪い情報はいずれは知れるということは、誰もが分かっていることです。既に、知っていることです。

誰かに聞いたり、本で学んだりしたこともあるかもしれませんが、最善の方法だと分かっていることを実行するためにも、誰かに相談することが大切です。もちろん誰でも良いということは無く、日ごろからコーチやメンターを持つことが必要になります。このコーチ、メンターを持っていることがシリコン・バレーの企業の強さかもしれません。

また、三つめは、社員を尊重するです。

情報を隠すということは、社員を信頼してないからでありませんか、それが余計な心配をかけてはいけないという善意からだとしても、信頼が無いから情報を隠すのだと思います。

そうすると、隠された社員の方も、経営者、リーダーを信頼しません。情報を知らせることは、信頼を得る必要条件になります。

経営者、リーダーの中には、余計な情報は社員に伝えると、外に情報が漏れたり、反発したりなどと、ネガティブな反応を恐れる方々がいます。

それは、社員との信頼関係ができていないことの証明のように思います。また、社員からの反発を恐れるよりも、そこに正面から向き合うことが、社員からの信頼を得て、組織を強くする重要な要素であると思います。

そして、情報を開示することで、経営者、リーダーが一人で対策を考えるのではなく、社員の頭脳、経験も使え、問題解決に繋がります。

また、社員を尊重するということは、ヴィジョンを伝えたり、社員の評価にも大切な要素です。この本の中では、何度か社員をレイオフ(解雇)しています。

会社の業績悪化による、製品戦略の転換によるレイオフもあれば、社員の業績不振による配置転換やレイオフもあります。

そんな場合も、解雇の理由を、本人の人間性を尊重(気づつけない)し、能力や経験の違いをしっかりと伝える。そして製品戦略の転換などによる大規模なレイオフ等の場合などは特に、会社に残って一緒に働く社員に対して、今後のビジョンや目標をしっかり伝えて、安心して働く環境をつくることも大事です。

さらに、この本の中では、経営においての優先順位を、社員(人)、製品・サービス、利益の順番だと明確に示しています。

かつて、稲盛氏はJAL再生の時に掲げた理念は、「全従業員の物心両面の幸福を追求し、お客様に最高のサービスを提供する」でした。

顧客満足第一をかかげる企業も多いですが、顧客満足を届けるのは社員です。社員が幸せであってこそ、最高の顧客満足を提供できるという考え方は、世界中の共通した組織づくりの成功ノウハウかもしれません。

そして、四つ目は社員教育です。

この本の中では、社員教育をする理由として、生産性向上、業績を高める、品質向上そして社員をつなぎとめる、これら4つがあげられています。

最初の3つは、社員教育の理由として当然だと思う方が多いと思います。しかし、この最初の3つを行うことで、社員は成長します。会社に入社することによって、経験を積み、学び、それまで無かった能力も身についていきます。

このような成長を実感することで、人はその組織への帰属意識が高まります。つまり会社を簡単には止めないことになるということになります。

つまり、「成長したら、もっと条件の良い会社に転職してしまう」ということは考えず、社員の成長を促進させることを大切にするということです。

もちろん、中には、もっと良い条件の良い会社に転職しようと思う社員もいますが、それは一部であり、転職理由は、人間関係であったり、望む仕事が無かったりなどといった、他にあるということです。

以上の4つの他にも、経営者、リーダーとしての考え方も示されています。その中でも大切なことは、「そもそも、自分は何をしたいのか」を明確にもつことです。

本の中では、倒産の危機に向き合ったときに、「起こりうる最悪な状態とは、どんな状態なのか?」「もし倒産したら私は何をするのか?」という問いを自分自身に投げかけています。

何かを守ろうとした時に、人は意識が「守る」ことに向き、そもそも、何を守り、なぜ守る必要があるかなどと言った、本質的なことが抜け落ちることがあります。

それを、最悪なことが起きたと仮定することで、今、向いている意識を拡げてみることを示しているように思います。

以上、HARD THINGSを独断と偏見で紹介し、解説してみました。

どうしてよいか解決の道が見えない、困難においても、考える道はあるように思います。その道程のなかで、最良の解決策が見つかると思います。

例え、その解決策で思い通りの成果が得られなかったとしても、考える道を外して進むのではなく、最善の道を歩むことの大切さを教えてくれている名著だと思います。

これからは、誰も経験してこなかった社会の中で、経営をし、組織づくりが必要になってきます。その中で、結果に心を奪われるのではなく、行動を起こす、最善の道を歩むことが、最も大切なことだと思います。

物語から無意識のメッセージを見つける方法

物語には私たちが無意識のうちに抱えるメッセージが込められていることがあります。その言葉やストーリーが私たちの内面と対話することで、新たな洞察や気付きをもたらすことがあります。

本記事では、物語から無意識のメッセージを引き出す方法について探求します。簡単な物語を作成し、そこに表現された言葉の中で特に印象に残るものを選ぶことで、自分自身の内なる声に気づくことができるかもしれません。

物語が持つ深層の意味を解き明かし、自己探求の旅に役立つヒントを提供します。物語の力を通じて、私たちの内なる世界に光を当てていきましょう。

誰かを幸せにする物語の価値

幸せになることは誰もが望んでいることです。そして、困難または幸せではない状況から幸せになる過程は、幸せになるすべての人が進む過程でもあります。つまり、そこには3つのステージが存在します。それは、幸せではない現状、現状から幸せに向かうキッカケとなる出来事、そして幸せになっている未来です。

1.幸せの物語りには3つのステージがある

幸せになるための物語は、私たちが抱える現状から幸せに向かう過程を表現しています。最初のステージは、幸せではない現状です。この段階では、主人公は悩みや苦しみに直面しており、幸せからはほど遠い状況にあります。

次のステージは、現状から幸せに向かうキッカケとなる出来事です。この出来事は、主人公に大きな影響を与え、彼らの視点や価値観を変えることがあります。このキッカケは、物語の転機となり、主人公が幸せを求める旅に出るきっかけとなります。

最後のステージは、主人公が幸せになっている未来です。この未来は、主人公がキッカケを乗り越え、自分自身の夢や目標を達成している状態を表しています。このステージでは、読者は主人公の成功や幸せを共感し、感動することができます。

2.現状から何かがキッカケで幸せになる

物語の中のキッカケは、現状から幸せに向かうための重要な要素です。このキッカケは、主人公に新たな希望や目標を与え、彼らを進化させる役割を果たします。例えば、映画やドラマの物語では、主人公が出会う特別な人物や予期せぬ出来事がキッカケとなり、彼らの人生が変わることがよくあります。

また、私たちの日常生活でも、何かがキッカケで幸せになることがあります。それは、新たな挑戦をすること、自分自身を成長させるための努力、または人との関係を築くことなどが挙げられます。キッカケは、私たちが幸せを見つけるために必要な一歩と言えるでしょう。

3.そのキッカケが、あなたが望む幸せに向かう鍵になる

物語の中のキッカケは、物語の進行や主人公の成長の鍵となります。同様に、私たちの人生の中でも、キッカケは幸せを追求するための重要な要素です。キッカケがなければ、私たちは快適な現状にとどまり、成長や変化を経験することはありません。

キッカケは、私たちに新たな視点やチャンスを与え、自分自身の可能性を広げることができます。それは私たちが固定観念や制限を超え、新しい世界や幸せを見つけるための手段です。

つまり、私たちの物語は、自分自身を変え、幸せを求めて進む旅の一部です。物語のキッカケは、私たちが幸せになるための鍵であり、私たちの日常生活でのキッカケも同じです。新たな挑戦や出会い、自己成長への努力は、私たちが望む幸せに向かう大切なステップです。

印象に残る言葉を選択する

物語から無意識のメッセージを引き出すには、特に印象に残る言葉を選ぶことが重要です。物語の中で特に心に響く言葉や文句を見つけ、それを自分自身に対するメッセージとして受け取ることができます。

特に重要なのは、キッカケとなったステージに含まれる言葉です。

例えば、物語の中で現状から幸せになるキッカケの中の「自己を信じることが大切だ」という言葉が印象に残り、自分の内なる声として響くのであれば、それはあなたに対する、「自分を信じることが大切」「今、進めていることが正解だ」というような無意識のメッセージかもしれません。

そのメッセージを受け入れ、自己探求や成長のために活かしてみましょう。

選択した言葉の中に込められた深層のメッセージを探求する

どうように、選択した言葉に込められた深層のメッセージを探求することは、物語から無意識のメッセージを引き出すための重要なステップです。選んだ言葉をじっくりと考え、その意味や背後にある感情を探求してみましょう。

例えば、選んだ言葉が「失敗から学ぶことができる」という意味を持っているとします。この言葉には、自己成長や挫折からの学び、それによって得られる価値が込められているかもしれません。このメッセージを受け入れ、自分自身の過去の失敗や困難から学ぶことができるよう努力してみましょう。

物語から無意識のメッセージを見つけることは、私たちの内なる世界を探求する上で貴重な経験です。物語は私たちに新たな視点や気付きをもたらし、成長や自己理解の道を開いてくれるかもしれません。物語の力を通じて、私たち自身の内なる声に耳を傾け、自己探求の旅を進めていきましょう。

目的は同じでも、情報のチャンクが違えば対立する

人は情報を一つの塊、つまりチャンクとして処理する。例えば、「ミスコミュニケーションが起きている」という情報の場合も、ミスコミュニケーションの中味には様々な詳細な要素が入った、一つのチャンクになっています。

起きているという内容も、対立なのか、行き違いなのか、中味が色々あります。そして、このチャンクレベルの違いが、対立などのミスコミュニケーションを呼んだり、行動にぶれが生じたりすることがあります。

例えば、「ミスコミュニケーション」をテーマに話し合う場合に、ミスコミュニケーションをどんなチャンクで捉えるかで、行き違いや対立が起きることをお話ししたいと思います。

チャンクレベルには、一般化、具体化、横展開の3つがある

情報を処理する際に、チャンクレベルは非常に重要です。ミスコミュニケーションの場合、一般化、具体化、横展開の3つのチャンクレベルが存在します。

一般化は、情報を広く捉えることを意味します。例えば、「ミスコミュニケーションが起きている」という情報を一般化すると、「組織の課題」というようになります。このレベルでは、具体的な要素が欠けるため、話の内容が抽象的になりますが、広く全体像を押さえることができます。

具体化は、情報を詳細に分解し、具体的な要素を含ませることを意味します。ミスコミュニケーションの具体化の例としては、「Aさんがメールの内容を誤解したため、情報が伝わらなかった」といった具体的な要素を含めることです。このレベルでは、詳細な情報が分かりやすくなりますが、全体像が見えにくくなることがあります。

横展開は、情報をさらに広げて新たな似通った要素を含めることを意味します。ミスコミュニケーションの横展開の例としては、「Aさんが情報を誤解したことに加えて、Bさんが不明確な指示を出した」といったように、他の要素も関連付けて考えることです。このレベルでは、起きている事象の事例を把握することができますが、情報が複雑になりすぎてメッセージが伝わりにくくなることがあります。

話している意図が同じなのに、違うように見えてしまう

チャンクレベルの違いにより、話している意図が同じであっても、違うように受け取られることがあります。例えば、「ミスコミュニケーションが起きている」という情報は、チャンクレベルによって以下のように解釈が異なる可能性があります。

一般化の場合:組織の課題として、コミュニケーション全体に問題があると受け取られる可能性があります。この場合、話の展開としては、オフィスのレイアウト変更などに向くことも考えられます。

具体化の場合:特定の人や場面でのコミュニケーションの問題と受け取られる可能性があります。この場合の展開として、特定の人への教育や指導を考えるかもしれません。

横展開の場合:他の要素や要因も関連付けながら、問題となっている事例が多く出され、より複雑な問題として受け取られる可能性があります。

これらにより、もともとは、組織運営を円滑にしようという意図がずれることで対立が生じたり、誤解が生まれたりすることがあります。

情報を伝える際には、チャンクレベルを適切に意識することが重要です。

ミッションやビジョンは一般化して描く

ミッションやビジョンなどの大局的な考え方を伝える際には、一般化したチャンクを使用することが有効です。ミッションやビジョンは、具体的な詳細が求められるものではなく、大まかな方向性や価値観を伝えるものです。

一般化したチャンクレベルのメッセージは、人々が共感しやすく、理解しやすくなります。具体的な要素を含めると、メッセージが複雑になり、伝えたい意図が伝わりにくくなる可能性があります。適切なチャンクレベルを選択し、大局的な考え方を伝えることで、共通の目標を実現するために必要な方向性を示すことができます。

ただ、先ほどのミスコミュニケーションの事例のように、人には、一般化が得意な人、具体化が得意な人、横展開が得意な人がいます。

一般化が得意な人には直ぐに共感を呼ぶ、ビジョンであっても、具体化や横展開が得意な人には、ピントこないという場合も考えられます。

そこで、具体化が得意な人には、ビジョンが実現した時の具体的な事象を示すことも必要です。

横展開が得意な人には、幾つかの具体的な事象を示し、その人がイメージできるようにすることも必要だと思います。

行動計画は具体化が大切

一方、行動計画や具体的な指示を伝える際には、具体化したチャンクを使用することが重要です。行動計画は、具体的なステップや目標を示すものであり、具体的な要素が求められます。

具体化したチャンクレベルのメッセージは、行動に直結するため、人々が行動のイメージができ、実行しやすくなります。一般化したチャンクを使用すると、行動の具体的な内容や方法が不明確になり、実行にぶれが生じる可能性があります。

具体化したチャンクを適切に使用し、行動計画を明確に伝えることで、目標達成に向けた効果的な行動を促すことができます。

具体化と横展開の区別がつかないと行動が進まない

具体化と横展開は、チャンクレベルの中でも似ている部分があり、区別がつきにくいことがあります。具体化は、情報を詳細に分解し、具体的な要素を含めることを意味します。

一方、横展開は、情報をさらに広げて新たな要素を含めることを意味します。

具体化と横展開の違いを正しく理解しないと、具体化しているつもりで、行動の詳細が表現できず、似たような行動の列挙になってしまい行動計画や意思決定の際に混乱が生じる可能性があります。

横展開に関しても、選択肢を広げるつもりで横展開しようとしているのに、一つの行動を詳細に具体化しているだけで、選択肢が広がっていないことが起きます。

このように具体化したチャンクにより行動の具体的な内容や方法が明確になり、実行に向けたステップが進められます。一方、横展開は、新たな要素を加えることで選択肢を拡げ、行動にヌケ、モレを防ぎます。

まとめ

情報のチャンクを意識し、今、どのチャンクレベルの情報にフォーカスしているのか理解してコミュニケーションをすすめるだけで、生産性が大きく高まり、目標達成も進みます。

さらに加えて、組織の活性化にもつながります。難しい、スキルや知識を身につけることも大事ですが、ちょっとして理解と意識づけで人も組織も変化させることができます。

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短所と長所、弱みと強みは同じですよ!

「長所は何ですか?」と聞かれても、自分のことなのに上手く答えられない人がいます。短所ならたくさん出るのに、長所は出てこない。でも、短所がたくさんあるということは、同じくらい長所があるということが言えます。

ようするに、短所は長所につながる、という前提に立ち思考を柔軟にすれば、長所は見つかります。

長所と短所と同じように、強みと弱みに関しても、相互に関連しているという前提に立てば、意外な自社の強みが浮かび上がります。

今回は、短所と長所を関係を紐解きながら長所を見つけ、同時に自社の強みについて考えていきたいと思います。

1.長所と短所は相互に関係している

長所と短所は相互に関係しています。短所があるからこそ、その反対の長所も存在するのです。例えば、頭が固いという短所がある場合、その人は一度決めたことなどからぶれない特徴も持っているかもしれません。頭が固いと思われることもあるかもしれませんが、一度決めたことを貫く姿勢は誉められるべき長所となります。自分の短所を見つけることで、自分自身の長所も見つかるのです。

2.状況が変われば、長所と短所が入れ替わる

状況は常に変動しています。同じ行動が必ずしも同じ結果につながるわけではありません。そのため、状況が変わるときには、長所と短所も入れ替わることがあります。例えば、頭が固いという短所も、一度決めたことを守る必要がある場面では、頑固な性格が役立つことがあります。自己評価ではなく、状況に応じて考えることが大切です。

3.意味付けを変えれば、長所と短所が入れ替わる

同じ行動でも、意味付けを変えることで、長所と短所を入れ替えることができます。例えば、頭が固いという短所を、「一度決めたことからぶれない」という意味で捉えると、頑固な性格が必要な仕事に向いていると言えます。スキルや性格を客観的に見つめ直し、意味付けを変えることで、自分の長所を見つけ出しましょう。

4.会社の強みや商品の強みも同じ理屈で考えられる

長所や短所だけでなく、会社の強みや商品の強みも同じような考え方で見つけることができます。例えば、競合他社と比較して「うちは開発能力がライバルよりも弱い」というのは短所のように思えます。しかし、ここで開発能力が弱いことがメリットになる状況は無いかと考えてみます。

そこで、開発能力は弱いので、既存製品のリニューアルに注力することができるというように視点を変えることも可能になります。

また、開発能力が弱いという意味付けを、一度開発した商品を長く、大切にすることができる。というような意味付けにしてみたらどうでしょうか。他社との違い浮き彫りになり、経営戦略の方向性が見えてきそうです。

物事の捉え方は一つではありません。

今回のように、短所が長所になるように、弱みが強みになるように、柔軟に思考することで、長所も強みも、そしてそこから浮き彫りになる、自分自身の特長や会社の特長が明確になってきます。

全ての人に長所があり、全ての会社に強みがあります。思考を柔軟にして見つけていくことが成長に大きく影響してくると思います。

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